モズアスコットを復活へと導いた「矢作マジック」再び!? 名トレーナーの決断は吉か凶か

先週の開催で約2か月近く続いていた中山も終わり、今週から関東の舞台は東京へと切り替わる。開幕週を飾る重賞は、フェブラリーS(G1)の前哨戦でもある根岸S(G3)だ。
デビューから9戦してパーフェクト連対のレモンポップをはじめ、昨年の覇者テイエムサウスダンやすばるS(L)を勝ったバトルクライなど、世代の異なる好メンバーが集結。このレースをステップに本番を制した例も多いだけに、各陣営にとっても力が入る一戦となるだろう。
今回上位人気を担うギルデッドミラーは3走前からダートに転向した馬。前走の武蔵野S(G3)でレモンポップを破った新星だ。昨年のチャンピオンズC(G1)をジュンライトボルトが制したように、芝からダートに転向した馬が頂点まで登り詰めたこともあり、ダート路線はまだまだ混戦模様といったところか。

そういった意味では、今回がダート初挑戦となるホウオウアマゾン(牡5、栗東・矢作芳人厩舎)にも注意が必要だろう。
「来年はG1を目指せるだけの器だと思っている」
「矢作マジック」再び!?
一昨年の阪神C(G2)直前、指揮官はホウオウアマゾンの能力に確かな手応えを感じていた。3歳時に挑戦したマイルCS(G1)で女傑グランアレグリアとコンマ4秒差の5着に入った素質馬の才能を高く評価したのも無理はない。
しかし、そんな師の期待とは裏腹に、昨年は安田記念(G1)で12着に敗れてから、前走のマイルCSまで3戦連続の二桁着順。G1制覇はおろか、掲示板に載ることすら出来ない迷路に迷い込んだ。
今回、初のダート挑戦に踏み切ったのは、矢作師の過去の成功例が後押ししているのかもしれない。
3年前のフェブラリーSを制したモズアスコットは、その代表例といえるだろう。同馬は安田記念を制してG1馬の仲間入りを果たしたものの、その後はマイルCSや香港マイル(G1)などに挑戦するも結果が出ず。1年半以上もの間、連敗が続いていた。
そんなモズアスコットの復活を期すべく、ダートに矛先を向けたのが矢作師だった。意を決して使った初戦の根岸Sを一発クリア。続けてフェブラリーSを連勝し、芝とダート両方でマイルG1を勝利という二刀流に成功。同馬の復活をエスコートした経験がある。
また、成功例はそれだけではない。
昨年にはニュージーランドT(G2)を最後に勝利から遠ざかっていたバスラットレオンをダート路線に切り替え、海外遠征したドバイのゴドルフィンマイル(G2)で1年ぶりの勝利を手に入れた。帰国後の武蔵野Sでも7番人気ながら3着に入るなど、ダートに矛先を向けて復活の兆しをみせている。
さらにいえば、ホウオウアマゾンの父であるキングカメハメハは、ベルシャザールやジュンライトボルトなど、ダート転向後にG1を制した馬を複数出した種牡馬と血統的な魅力もある。以前から矢作師もホウオウアマゾンに対し「馬体、走りを見てもダートへの適性はあると思う」と話していただけに、激走の可能性は十分あるだろう。
G1制覇の期待を寄せたホウオウアマゾンに、何とか復活のキッカケを掴んでほしい矢作師。かつてのモズアスコットのように、「矢作マジック」は炸裂するだろうか。
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