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【共同通信杯(G3)展望】福永祐一「重賞13勝」の得意コースで最後の騎乗!ダノンザタイガー、レイベリングら強敵相手に一発狙う

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 12日、東京競馬場では春のクラシックに直結する重要な一戦、共同通信杯(G3)が行われる。過去10年で出走した108頭のうち実に11頭が後にG1を勝っている3歳戦随一の出世レースである。

 今年も将来性のある馬がそろいそうだが、1戦1勝のタスティエーラ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)をまず取り上げたい。

 新種牡馬サトノクラウンを父に持つ本馬は、昨年11月の東京2歳新馬(芝1800m)でR.ムーア騎手を背にデビュー。道中2番手から抜け出すと、2着ラレーヌデリスに3馬身半差をつけ、搭載しているエンジンの違いを見せつけた。

 レース後、ムーア騎手は「まわりを気にしてキョロキョロしていたので折り合いを心配しました」と一抹の不安があったことを明かしたが、「レースでは問題ありませんでした。距離は2000mぐらいまでは大丈夫。将来期待できる馬だと思います」と今後の活躍に太鼓判を押している。

 そのムーア騎手は、すでに離日しているため騎乗不可。代わって2戦目の手綱を取るのは今月いっぱいで騎手を引退して調教師へ転身する福永祐一騎手だ。

 関西所属の同騎手だが、東京芝1800mは大の得意。特に重賞では圧倒的で、コース別では最多となる13勝(52戦)を挙げている。次に多い阪神芝2000mが9勝(98戦)なので、相性の良さは明らかだ。

 共同通信杯に限れば1勝(5戦)しかしていないが、2着が2回、3着も1回あり、複勝率は80%を誇る。福永騎手と言えば若駒の育成にかけては随一の腕前といわれているが、自身最後となる国内の3歳重賞で1戦1勝の素質馬をクラシック路線に乗せることができるか。

 2020年の当歳セレクトセールにて2億9700万円(税込)の高額で取り引きされたダノンザタイガー(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)も将来の活躍が期待される。

 昨年6月のデビュー戦は出遅れもあって2着に取りこぼしたが、2戦目で順当勝ち。しかし、3戦目の東京スポーツ杯2歳S(G2)ではハーツコンチェルトに次ぐ2番人気に支持されるも、再び2着に敗れた。

 このときは前半3ハロン35秒2と、2歳戦としては緩みのない流れの中、中団やや後方で待機したダノンザタイガー。直線で大外に持ち出されると、突き抜けそうな勢いで伸びたが、内をすくったガストリックにクビ差及ばず。それでもハーツコンチェルトの猛追をしのいで賞金加算には成功した。

 これを受けて年内は無理をさせず、陣営はすぐに共同通信杯からの始動を決定。1月中旬に美浦に入厩すると、ウッドコースを中心にしっかりと乗り込まれてきている。

 管理するのはアパパネとアーモンドアイという三冠牝馬2頭を育て上げた国枝調教師。牝馬では数多くのタイトルを獲得しているが、いまだ牡馬クラシックには縁がない。悲願のダービー制覇へ、ダノンザタイガーは出世レースを制しクラシック有力候補へ名乗りを上げることができるか。

 サトノクラウン産駒のタスティエーラとハーツクライ産駒のダノンザタイガーが国産高級車なら、フランケル産駒のこの馬は高性能のイギリス車といったところだろう。前走・朝日杯FS(G1)で3着に好走したレイベリング(牡3歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)のことである。

 デビューは昨年11月東京の2歳新馬(芝1600m)。ジャパンC(G1)騎乗のため来日していたM.ギュイヨン騎手を背に中団やや後方の位置取りから上がり3ハロン33秒1の末脚を発揮して、豪快な差し切り勝ちを収めた。

 この勝利で確かな手応えをつかんだ陣営は、中2週で朝日杯FSへ挑戦。キャリア1戦にもかかわらず3番人気と高い支持を得た。

 タイトなレース間隔と、初の関西遠征にもかかわらず、当日の馬体重は前走から6kg増。2戦目でしっかりスタートを決めると、道中は先行集団を前に見る形で5番手の外を進んだ。

 楽な手応えのまま4角を迎えると、直線半ばで先行していたドルチェモアに並びかける。しかし、道中インで脚を溜めていたライバル馬に逆に突き放されると、外から追い込んできたダノンタッチダウンにも交わされての3着。それでも道中インでロスなく運んだ2頭に対し、終始外を回らされての「クビ+クビ」差なら2頭と互角以上の内容だったといえるだろう。

 春の大舞台に向けて賞金加算が至上命題の今回は、M.デムーロ騎手と初コンビを組む予定だ。

 3戦2勝のファントムシーフ(牡3歳、栗東・西村真幸厩舎)は、過去2戦で手綱を取った福永騎手からC.ルメール騎手へと乗り替わる。

 新馬、野路菊S(OP)を勝って臨んだ前走・ホープフルS(G1)では2番人気に支持されたが、0秒2差の4着に敗れた。スタートでやや立ち遅れた分、道中は中団7番手の位置取り。前残りの展開の中、最後まで良く伸びてはいたが、ペースが遅すぎた。持ち前の先行力を生かす競馬ができれば能力は上位だ。

 タッチウッド(牡3歳、栗東・武幸四郎厩舎)は、昨年11月のデビュー戦で2着に6馬身差をつける逃げ切り勝ちを収め、これが2戦目。先日、AJCC(G2)を勝った半兄のノースブリッジに続けるか。

 他には、前走・百日草特別(2歳1勝クラス)で1番人気に推されるも4着に敗れたシーズンリッチ(牡3歳、美浦・久保田貴士厩舎)、前走・京都2歳S(G3)は直線で不利があって0秒3差の4着に敗れたシュタールヴィント(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)、前走・朝日杯FSで16番人気ながら4着に健闘したキョウエイブリッサ(牡3歳、美浦・武市康男厩舎)なども上位進出を目指す。

 今年はこのメンバーから何頭のG1ウイナーが誕生するのか。ハイレベルな戦いが予想される共同通信杯は、12日の15時45分に発走を迎える。

GJ 編集部

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