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【大阪杯(G1)展望】二冠牝馬スターズオンアース登場! 名脇役ヒシイグアス&ヴェルトライゼンデ悲願のG1制覇へ

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スターズオンアース

 4月2日、阪神競馬場では春のG1シリーズ第2弾の大阪杯(G1)が行われる。G1に格上げされた2017年から7回目を迎える今年は、一体どんな結末が待っているのか。年齢データに注目しながら展望してみたい。

 中心は昨年の桜花賞(G1)とオークス(G1)を制し、最優秀3歳牝馬に輝いたスターズオンアース(牝4歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)だろう。

 過去6年で4歳馬は「2-2-5-19」と好走率は高い。特に牝馬は「1-1-0-1」で、3頭中2頭が連対している。20年に4番人気クロノジェネシスが2着に入り、翌21年には同じく4番人気のレイパパレが大金星を挙げている。

 この2頭と比較しても、4歳春時点の実績ではスターズオンアースが上。データ的にも重視せざるを得ないだろう。

 ただし、本馬に付きまとうのが脚元の不安だ。昨年のオークス後には両前脚を剥離骨折。幸い症状は軽く、9月には帰厩し、秋華賞(G1)にも間に合っている。

 しかし、ぶっつけで臨んだその一戦で痛恨の出遅れ。道中は後方で待機し、4角でも後方2番手という絶望的な位置取りだった。しかし、直線で馬群を縫うように末脚を伸ばすと、先んじて抜け出したスタニングローズから0秒1差の3着まで追い上げ、地力の高さを見せつけた。

 その後はジャパンC(G1)挑戦も視野に入っていたが、左前肢に繋靱帯炎を発症。再び休養を余儀なくされたが、1月の時点で大阪杯での復帰を視野に。放牧先の山元トレセンでは順調に調整が進められていた。

 今月上旬に美浦へ帰厩すると、追い切りでは抜群の動きを見せている。南Wで行われた2週前追い切りで、6ハロン82秒3-ラスト11秒7の好時計をマークすると、1週前追い切りでは、この日のWコースで2番目に速い81秒0-11秒1の超抜時計で成長をアピールしている。

 年長馬とは今回が初対戦で、牡馬と相まみえるのも久々。オークスからコンビを組むC.ルメール騎手を背に二冠牝馬の意地を見せられるか。

【大阪杯(G1)展望】二冠牝馬スターズオンアース登場! 名脇役ヒシイグアス&ヴェルトライゼンデ悲願のG1制覇への画像2 好データの4歳馬に対して、苦戦しているのが高齢馬だ。特に7歳以上の馬は、G1格上げ後に10頭が出走するも掲示板すらない。今年このデータを覆すとすれば、ヒシイグアス(牡7歳、美浦・堀宣行厩舎)しかいないだろう。

 これまで重賞を3勝、G1・2着も2回あるヒシイグアス。だが、半年以上の長期休養を4度挟んでいて、キャリアはまだ16戦と浅い。前走の中山記念(G2)も重度の熱中症明けが不安視されて5番人気に留まったが、蓋を開けてみれば低評価を覆す鮮やかな走りを披露した。

 その前走で久々に手綱を取ったのは松山弘平騎手。このコンビは通算5戦4勝の好相性で、休み明けをひと叩きされた今回は、さらに状態を上げてくるはず。今月上旬に天国へと旅立った父ハーツクライに弔い星を届けられるか。

 6歳馬も過去6年で「0-1-0-15」と苦戦している。今年は3頭の6歳馬が出走を予定しているが、最も勝利に近い位置にいるのはヴェルトライゼンデ(牡6歳、栗東・池江泰寿厩舎)だろう。

 コントレイル世代の1頭で、日本ダービー(G1)でも3着に好走。古馬になってからの活躍が期待され、実際に4歳初戦のAJCC(G2)では2着に好走した。しかし、その後に屈腱炎を発症し、長期休養を余儀なくされた。

 ターフに戻ってきたのはAJCCから1年4か月後。陣営も半信半疑で臨んだという昨年6月の鳴尾記念(G3)で復帰を果たすと、中団から直線鋭く伸びて重賞初制覇を飾った。

 その後は無理をせず夏を休養に充て、秋初戦のオールカマー(G2)で再始動。しかし、このときは展開と馬場が味方せず7着に敗れている。

 ようやく秘めたポテンシャルを発揮したのは続くジャパンCだった。ヴェラアズールが制したこのレースで、ヴェルトライゼンデは好位のインを追走。直線でしぶとく伸びて上位争いに加わったが、0秒1差の3着に善戦。長期休養明け3戦目でG1級の力があるところを見せた。

 そして迎えた今年初戦の日経新春杯(G2)はトップハンデ59kgを背負ったが難なくクリア。前走後もしっかりと間隔を空けており、万全の態勢でG1獲りに挑むことになりそうだ。

 注目の鞍上は、デビュー戦以来となる川田将雅騎手との再コンビ。現役No.1ジョッキーを背にコントレイル世代の意地を見せられるか。

 過去6年で「4-3-1-23」と好成績を残す5歳馬は今年も層が厚い。特に期待値が高いのは、父モーリスという共通点を持つ3頭だ。

 デビュー前から「13冠ベビー」として注目を浴びてきたジェラルディーナ(牝5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)は、遅咲きの血が昨年秋にようやく開花した。

 オールカマーで重賞初制覇を遂げると、続くエリザベス女王杯(G1)では、母ジェンティルドンナを彷彿とさせる末脚でG1初勝利。続く有馬記念(G1)は3着に敗れたが、4角後方3番手という位置取りからしっかり伸びていた。

 充実ぶりが光るジェラルディーナだが、3か月ぶりの実戦となる点が少ない不安要素の一つ。これまで2か月以上間隔を空けたレースでは「0-0-1-2」とやや苦しんでおり、最終追い切りの動きと陣営のコメントをしっかり確認しておきたいところ。

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ジャックドール 撮影:Ruriko.I

 ジャックドール(牡5歳、栗東・藤岡健一厩舎)は、6連勝を懸けて臨んだ昨年の当レースでエフフォーリアに次ぐ2番人気に支持された逸材だ。

 そのレースでは逃げの手を打ったが、後続にマークされる厳しい展開。それでも直線では最後まで逃げ粘っていたが、急坂で失速し0秒5差の5着に敗れた。

 その後は札幌記念(G2)でパンサラッサに競り勝ったが、秋は天皇賞・秋(G1)が4着、香港C(G1)は7着に終わっている。

 今回は3か月半ぶりの実戦となるが、ジェラルディーナとは正反対で、この馬は3か月以上間隔を空けたときは3戦3勝と一度も負けていない。

 展開的にも今年は他に逃げ馬がおらず、昨年よりマークは緩くなるはず。前走で初コンビを組んだ武豊騎手を背に単騎先頭で粘り込むシーンがあっても不思議ではない。

 前走のAJCCで重賞2勝目をマークしたノースブリッジ(牡5歳、美浦・奥村武厩舎)も先行力が持ち味のモーリス産駒。岩田康誠騎手の“ジーニアス”な騎乗で上位進出を狙う。

 4歳馬だが、モーリス産駒はもう1頭いる。昇級初戦で1月の中山金杯(G3)を制し、前走・中山記念でも3/4馬身差の2着に健闘したラーグルフ(牡4歳、美浦・宗像義忠厩舎)。完全に本格化した今ならG1でも侮れない存在だ。

 この他には、21年のホープフルS(G1)覇者で、2走前の中日新聞杯(G3)を制したキラーアビリティ(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)、20年のホープフルS覇者で、ゲート再審査が出走条件のダノンザキッド(牡5歳、栗東・安田隆行厩舎)、連覇を狙うポタジェ(牡6歳、栗東・友道康夫厩舎)などが出走を予定している。

 データ的には4~5歳馬が優位なレースだが、今年は6歳以上の馬にもチャンスはありそう。混戦模様の大阪杯は4月2日、15時40分の発走を予定している。

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