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「競馬の常識」覆したリバティアイランドはハープスターの再来か!? 同じ桜花賞でも決定的な違い…「アーモンドアイ級評価」も納得の理由とは

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リバティアイランド 撮影:Ruriko.I

 春の仁川に関係者やファンが目を疑うような衝撃が走った。

 9日、阪神競馬場で行われた桜花賞(G1)は、川田将雅騎手が騎乗したリバティアイランド(牝3、栗東・中内田充正厩舎)が、先に抜け出したコナコーストを大外から強襲。前を行く先行馬に有利な馬場も、阪神ジュベナイルF(G1)を圧倒的な強さで制した2歳女王には関係なかった。

 1.6倍の単勝オッズにも表れたように、戦前からファンの信頼は揺るがなかった。1頭だけ次元の違う圧巻の走りを見せられては、1.6倍でも“つき過ぎた”と思えるほど。桜の女王の座を射止めたニューヒロインの視線はオークス(G1)か、それとも牡馬相手の日本ダービー(G1)だろうか。

 先週の段階から高速決着の目立っていた阪神の芝コース。先行抜け出しタイプなら絶好と思える好枠も、後方から鋭い末脚を駆使するリバティアイランドにとっては、決して歓迎できる条件ではなかったはずだ。

 実際、3枠3番からスタートした昨年のアルテミスS(G3)では、馬群を捌くのに手間取り、後ろにいたラヴェルに出し抜かれる格好で敗戦。それだけに桜花賞の川田騎手の手綱捌きに大きな注目が集まった。

 しかし、ゲートが開くとまったく行く気を見せないまま、ズルズルと後方に下がっていった姿に不安を覚えたファンは少なくなかっただろう。

 フルゲート18頭がひしめき合う大一番で眼前にはライバルたちの壁がズラリと並ぶ。ほぼ最後方に近い位置までポジションを悪くして選択したのは、まさかの大外一気。内前有利の馬場でセオリーを無視した騎乗は、敗れていれば川田騎手の騎乗に非難が集中していたかもしれない。

 これには本人もレース後のインタビューで「無事に届いてくれてホッとしています」と安堵の表情を浮かべていたが、「彼女が自分でそういう走りを選択しましたので仕方がない」ということだったらしい。常識を覆したこの選択も川田騎手のパートナーへの絶大な信頼があってこそ成立したといえる。

「アーモンドアイ級評価」も納得の理由とは

 一方で、近年の桜花賞は1番人気馬が苦戦を続けていたことでも知られており、1番人気馬の勝利も2014年のハープスター以来となる9年ぶり。同じく大外一気で優勝した同馬の主戦も川田騎手が任されていたため、ネットの掲示板やSNSなどでは、ハープスターの再来と評する声も出ていた。

 ただ、同じ大外一気でもこの年の桜花賞は、ハイペースで逃げたフクノドリームが激流を作り出し、先行勢が総崩れとなる展開だった。上位入線した馬はいずれも後方で脚を溜めた組であり、外差しの決まる馬場もハープスターにとって願ってもない状況だったことは間違いない。

 これに対し、リバティアイランドは何もかもが裏目となりかねないリスクを冒しての勝利だけに価値がある。あまりにも規格外過ぎる走りにハープスターではなく、アーモンドアイを引き合いに出すファンがいたことも頷ける強さだったといえるだろう。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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