【徹底考察】NHKマイルC(G1) ロードクエスト「勇者の冒険は、もう終わったのか?新潟2歳Sをハープスターの『伝説』と徹底比較」
「考察」
空前のハイレベルといわれた皐月賞(G1)を戦ったロードクエスト。結果は8着だったが、鞍上の池添謙一騎手が果敢に最内を狙いに行くなど、決して見せ場がなかったわけではない。
結果的に内の馬場があまり良い状態ではなく、この馬本来の伸びを欠いてしまった。だが、あれだけメンバーに勝ち切るにはあの作戦しかなかったという陣営の判断は、「勝負」という意味では良いギャンブルだったという見方もできる。無難なレースをして負けるよりは、よほど良いだろう。
そんなロードクエストが、今度はNHKマイルC(G1)に矛先を向けてきた。
王道の日本ダービー(G1)ではなく、あえてこちらを使ってきた陣営にとって最も大きな判断材料は、この馬のデビュー戦と新潟2歳S(G3)の内容だ。共に「左回りのマイル戦」における「豪快な勝ちっぷり」に違いないだろう。
デビューは昨年6月、このNHKマイルCと同じの東京のマイル戦だった。
スタートで出遅れ後方からの競馬になったが、最後は大外を回って難なく差し切った。メンバー最速だった上がり3ハロン33.2秒も然ることながら、簡単にねじ伏せた2着ブレイブスマッシュが後のサウジアラビアロイヤルC(重賞)の勝ち馬。新馬戦としては極めて優秀な内容だった。実際にロードクエストは1戦1勝の戦績ながら、次走の新潟2歳Sを1番人気で迎えている。
ただ、この馬を今の地位まで押し上げたのは、この新潟2歳Sの圧勝劇に他ならない。
新潟2歳S(G3)では1番人気に推されながらも、またもスタートで出遅れ。結果的に後の阪神JF(G1)2着のウインファビラス以下を4馬身ちぎり捨てた結果は、まさに圧巻の一言。もちろん、メンバー最速の上がり3ハロン32.8秒、走破時計1:33.8は非常に優秀。この時点では来年のクラシックの主役級と評価されていた。
では、この新潟2歳Sでのロードクエストの走りがどれくらいのレベルにあるのか。
それを測る上で、近年の新潟2歳Sで最も高いパフォーマンスを残しているのは、間違いなく後の「桜花賞馬ハープスターの2013年」だろう。下記はその比較である。
2013年 新潟2歳S(G3)勝ち馬ハープスター
走破時計1:34.5(良)
上がり3ハロン32.5秒(全体1位・コーナー通過順位18-18)
上がり全体2位ウインフェニックス 33.3秒 通過順位16-17
2015年 新潟2歳S(G3)勝ち馬ロードクエスト
走破時計1:33.8(稍重)
上がり3ハロン32.8秒(全体1位・コーナー通過順位18-17)
上がり全体2位マコトルーメン 33.5秒 通過順位17-17
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