
【徹底考察】NHKマイルC(G1) ロードクエスト「勇者の冒険は、もう終わったのか?新潟2歳Sをハープスターの『伝説』と徹底比較」
【血統診断】
マツリダゴッホ×タンチヒ系という組み合わせは、朝日FS(G1)2着のアルマワイオリが該当する。アルマワイオリは、他にもアーリントンC(G3)2着やニュージーランドT(G2)3着などがある仕上がりの早いマイラーだ。母マツリダワルツが盛岡競馬での活躍馬だったこともあり、一見血統的に地味な印象を持たれがちだが、母系には母父チーフベアハートを始め、母母父リアルシャダイ、母母母父ノーザンテーストと日本競馬を支えた一流の種牡馬が並んでいる。そして、何より特筆されるのが、3代母のダイナクレアーの存在だ。天皇賞馬サクラチトセオーや、エリザベス女王杯を勝ったサクラキャンドルなどが近親に並ぶ、日本でも屈指の牝系の一つである。従って、血統的見地から判断したロードクエストは、決して他のマツリダゴッホ産駒のような早熟のマイラーではなく、豊富な成長力を秘めている。大舞台を勝ち切るだけの底力も備えており、敗戦続きでも力は衰えてはいないだろう。当然ながら、現時点でも新潟2歳Sのパフォーマンスを再現できる可能性は十分ある。
≪結論≫
最初にロードクエストの作戦に関してだが、この馬の場合「スタートで出遅れている」というよりは「ゲートをまともに出てもダッシュがつかない」と表現する方が適切だ。よくあるスタート下手の馬とは違い、ゲートが致命的に下手というわけではない。しかし、逆に言えば、それ故に戦術は「追い込みの一手しか選択肢がない」のも事実だろう。ただし「考察」で述べた通り、左回りの1600m戦における本馬の末脚は「ハープスター級」だ。具体的に言えば、上がり3ハロンで33秒台前半から32秒台まで期待できる。そして【血統診断】で述べた通りロードクエストに衰えがない以上、その末脚を発揮できる可能性は高い。要は、それで先頭まで届くかどうかの問題だ。
その上で、最大のライバルとなるメジャーエンブレムは、ペースという点においては本馬の追い風となるだろう。1番人気で世代屈指の逃げ馬となる彼女の存在は、レースがスローペースで流れることを許さないはずだ。
後は、どこまで前が止まってくれるか。開幕週から東京の馬場コンディションは良好で、前が止まりにくい傾向が続いている。これが開幕3週目でどう変わるか。直前まで見極めたい。
最後に陣営は、このNHKマイルC出走と同時に日本ダービー参戦への意欲も示している。「二兎を追う者は一兎をも得ず」ではないが、陣営のこの判断がNHKマイルCでの仕上がり具合に悪い影響を与えなければ良いが。それだけが気掛かりだ。
PICK UP
Ranking
11:30更新「面白いこと教えてやるよ」横山典弘、打倒ソールオリエンスに手応えアリアリ!? 馬券に絡んだのはすべて内枠。「父兄参観」と揶揄された2年前とは一変
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 田辺裕信「2歳新馬」お断り!? 未だ騎乗ゼロに隠された真意
- C.スミヨン騎手「サンデーが拒否」原因はC.ルメール騎手? ドバイターフ(G1)リアルスティール「鞍上ドタバタ劇」の裏事情
- 武豊騎手「パドック意味なし」発言に仰天……馬券購入セオリー「完全否定」のトップ騎手たちが語るパドック必勝法とは
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 武豊命名「5爺」に激震走るナンバー3の卒業…有馬記念でメジロマックイーンを撃破、迫られる「欠員補充」の最有力候補とは
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- JRA池添謙一「2度結婚」「DV不倫」よりも紆余曲折の騎手人生。オルフェーヴル三冠→外国人で凱旋門賞、勝負強さは当代随一だが……