JRAトーンダウンで「凱旋門賞離れ」が加速!? 最強馬イクイノックスは回避濃厚、登録馬3頭も寂しい顔触れ
凱旋門賞(G1)を主催するフランスギャロは10日、今年の登録馬74頭を発表。JRAからは、ドゥラエレーデ(牡3歳、栗東・池添学厩舎)、サリエラ(牝4歳、美浦・国枝栄厩舎)、スルーセブンシーズ(牝5歳、美浦・尾関知人厩舎)の3頭が登録を行った。
残念ながら最新の世界ランキングで1位に輝いたイクイノックスの登録はなかった。レース4日前までに12万ユーロ(約1760万円)を支払えば追加登録は可能だが、現時点で出走に踏み切る可能性は極めて低くなったといえるだろう。
ネットの掲示板やSNSなどでは、ファンから残念がる声も多く上がったが、ここ数年の状況を鑑みれば、この状況は何となく察しの付く結果だったかもしれない。
凱旋門賞制覇は、いつしか“日本競馬の悲願”に例えられ、直近2年も現役最強と呼ばれるような日本馬が挑戦した。2年前にはG1・4勝のクロノジェネシスを筆頭に、ディープボンド、レイパパレら6頭が登録。最終的にはクロノジェネシスとディープボンドの2頭が参戦したが、前者が7着、後者は最下位の14着に敗れた。
昨年は登録があった7頭の中からG1を3勝していた“スタミナお化け”のタイトルホルダーのほか、ダービー馬のドウデュース、ディープボンド、ステイフーリッシュの計4頭が悲願達成に挑戦。タイトルホルダーは現地でも高評価を受けていたが、4頭揃って2桁着順に沈む惨敗を喫した。
「凱旋門賞離れ」が加速!?
「過去2年はその当時の国内最強馬2頭(クロノジェネシスとタイトルホルダー)が出走。パリロンシャンのタフな馬場もこなせると考えていたファンも少なくありませんでした。ところが結果はご存じの通り。もはや恒例となりつつありますが、『日本の競馬とは別競技』という声がその都度上がる事態になっています。
今年の登録馬は数的にも少なかった上、顔触れを見ても“格落ち感”は否めません。ドゥラエレーデこそG1(ホープフルS)を勝っていますが、スルーセブンシーズは中山牝馬S(G3)を軽ハンデで勝利したばかり、サリエラはリステッド競走(白富士S)を勝っただけですからね。過去2年に比べると、かなり寂しいメンバーと言わざるを得ません」(競馬誌ライター)
今年の登録メンバーが手薄になってしまった理由の一つに挙げられるのが、凱旋門賞後の国内レースで苦戦するケースが多かった面もあるだろう。
2年前こそディープボンドとクロノジェネシスが帰国初戦の有馬記念(G1)で2~3着に好走したが、昨年はタイトルホルダーとディープボンドが有馬記念でともに凡走。ドウデュースは2月の京都記念(G2)こそ完勝したものの、ドバイターフ(G1)を直前で回避するなど順調にレースを使うことができていない。
このように凱旋門賞後に順調さを欠く馬も少なくないことも、日本競馬界の凱旋門賞に対するトーンダウンにつながっていく可能性はあるだろう。
今回の登録状況を見ても、今後より一層“凱旋門賞離れ”に拍車がかかっていくのかもしれない。
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