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【凱旋門賞(G1)展望】地元ソシエ&ルックドゥヴェガ有力も、日本のシンエンペラーに大きなチャンス

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シンエンペラー
シンエンペラー 撮影:Ruriko.I

今年もこの季節がやってきた。10月6日、フランスのパリロンシャン競馬場では世界最高峰の一戦・凱旋門賞(G1、芝2400m)が開催される。今年は日本からシンエンペラーが参戦、さっそく展望したい。


混戦模様の今年の凱旋門賞だが、中心視されているのは地元フランスのソシエ(牡3歳、仏・A.ファーブル厩舎)だ。

ここまで6戦4勝ながら、パリロンシャン競馬場では3戦3勝と無類の強さを誇っているソシエ。特に前哨戦となったニエル賞(G2)で見せた他馬をねじ伏せるような末脚は本番でも大きな武器になるだろう。パリ大賞(G1)→ニエル賞と、凱旋門賞と同じパリロンシャンの芝2400mで連勝している点も頼もしい。

だが、その一方でニエル賞の勝ち馬が最後に凱旋門賞を制したのは2006年のレイルリンクが最後。現在17連敗中でソシエには負のジンクスを払拭する期待が高まっている。


そのソシエを仏ダービー(G1)で破ったのが、ルックドゥヴェガ(牡3歳、仏・C&Y.レルネール厩舎)だ。

連勝で挑んだ仏ダービーでは、最後の直線で早めに抜け出して後続を完封。デビュー3連勝で世代の頂点に躍り出た。だが、前走のニエル賞では、ソシエにリベンジを許す3着に敗れて初の黒星。休み明けの一戦だったが、初の2400mだった。

果たして敗因は距離なのか、それともコンディションか。昨年の仏ダービー馬であり、凱旋門賞馬でもあるエースインパクトに続けるか。真価が問われる一戦になる。


日本のシンエンペラー(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)のチャンスは小さくない。

2020年の凱旋門賞馬ソットサスの全弟を矢作調教師が現地で購入。この馬が日本のクラシックを経て、この世界最高峰の舞台に進んだことにまずは敬意を払うべきだろう。

重賞勝利こそないが、ホープフルS(G1)2着、日本ダービー(G1)3着など世代トップクラスの実力の持ち主であることは誰もが認めるところ。あと一歩で勝ち切れないのは、もしかしたら日本の馬場が合っていないだけのかもしれない――。そんな期待を抱かせる存在だ。兄弟制覇、そして日本競馬の悲願達成の舞台は整ったか。


A. オブライエン厩舎の刺客ロスアンゼルス(牡3歳)も当然、警戒が必要な1頭だ。

今春の英ダービー(G1)こそ3着に敗れてが、愛ダービー(G1)を制覇。本来であれば中心視されてもおかしくない存在だが、前走の愛チャンピオンS(G1)で4着に敗れたことでケチが付いた。それでも3着シンエンペラーとはアタマ差。2400mで真価を発揮できれば、逆転の可能性は十分だ。


古馬の代表としては、武豊騎手とコンビを組むことになったアルリファー(牡4歳、愛・J.オブライエン)を挙げておきたい。

ここまで9戦3勝ながら、充実一途の近況は注目に値する。7月のエクリプスS(G1)こそ現役最強馬と名高いシティオブトロイに1馬身差の2着に敗れたものの、続くベルリン大賞(G1)を5馬身差で圧勝。4歳秋を迎えて本格化した印象だ。

武豊騎手も追い切りに騎乗しており「おとなしくて乗りやすそうな馬」と好感触。自身が夢と語るビッグレースに今年こそ手が届くか。


他にも牡馬と互角以上の戦いを演じている女傑ブルーストッキング、ニエル賞2着のデリウスなども有力視されている。シティオブトロイこそ不在になる公算が高いものの、欧州のトップクラスが集った。

GJ 編集部

GJ 編集部

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