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皐月賞3頭出し矢作芳人厩舎の「期待度MAX」はシンエンペラーにあらず!?「決め手は世代トップクラス」秘密兵器導入の“2番手”に勝負気配

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皐月賞3頭出し矢作芳人厩舎の「期待度MAX」はシンエンペラーにあらず!?「決め手は世代トップクラス」秘密兵器導入の2番手に勝負気配の画像1

豪華3頭出しの矢作芳人厩舎

 10日、今週末に行われる皐月賞(G1、4月14日)に向けた共同会見が行われた。

 今年最も注目を集めたのは、何と言っても矢作芳人調教師。ホープフルS(G1)2着のシンエンペラー、若葉S(L)1、2着のミスタージーティーとホウオウプロサンゲという3頭出しは「さすが」の一言だが、当然会見も3倍増し……。1頭1頭、丁寧に答えていた師だったが、最後の方はさすがに食傷気味だったようだ。

 ここで気になるのが、矢作厩舎3頭に対する「師の期待値」ではないだろうか。

 実績的にはホープフルSの2着に加え、弥生賞ディープインパクト記念(G2)でも2着と安定した走りを見せているシンエンペラーが筆頭だ。やや勝ち味に遅い面があるものの11日現在の『netkeiba.com』における予想オッズでは、単勝1番人気に推測されている。

 だが、共同会見での矢作調教師の発言は終始辛口だった。

「期待度MAX」はシンエンペラーにあらず!?

 前走の弥生賞ではコスモキュランダに足をすくわれる形で敗れたが「勝たなければいけないレースに負けた」と結果に満足していないことを強調。記者が「それでも最後は凄い伸び」とフォローしたが、「いやいや、勝たなきゃダメですよ」と切り捨てている。

 無論、そこには凱旋門賞馬ソットサスの全弟という世界的良血馬への期待の高さもあるが、矢作調教師が不満を感じる主な理由が「自分の求めているところには達していない」と語るシンエンペラーの成長スピードだ。

「良くなっては来ているが、まだ一気に上昇というわけではない」と決して成長力がないわけではないが、その具合に満足していない様子。兄ソットサスは仏ダービー馬だが、凱旋門賞を制したのは4歳の秋。シンエンペラーの本格化も古馬になってからということかもしれない。状態面は悪くないようだが、現時点の完成度でどこまでといった感触だった。

 また、若葉Sで2着だったホウオウプロサンゲについては「シンエンペラー以上に、まだ馬が若い」と、さらに晩成傾向にあることを強調。「3頭の中で一番奥手。次につながるレースをしてもらえれば」という締めくくりからも、今回は厳しい戦いになりそうだ。

 その一方、矢作調教師が「このレース(皐月賞)、ダービーと勝負だと思ってます」と力を込めているのがミスタージーティーだ。

 愛弟子の坂井瑠星騎手とのコンビでホープフルSで5着、共同通信杯(G3)7着と不完全燃焼に終わり評価を落としていたミスタージーティーだったが、藤岡佑介騎手に乗り替わって若葉Sを快勝。これには師も「ジョッキーが上手く乗った」と新コンビに手応えを感じているようだ。

 しかし、トライアルを快勝して優先出走権を掴んだものの「抜け出してから、もっと千切ると思っていた」とパフォーマンスには満足していない様子。先頭に立ってから気を抜いてしまったようで、最後は僚馬のホウオウプロサンゲに半馬身差まで食い下がられた。

皐月賞奪取へ「秘密兵器」導入!

 そこで陣営は浅めのブリンカーを導入することを決定。「集中力が増した」と効果を実感しており、レース本番でも着用する見込みだ。

 実はホウオウプロサンゲも集中力に課題があるそうだが、馬具の導入は「まだ時期尚早」と見送っている。この辺りも2頭の完成度の違いからくる判断なのだろう。

 言い換えれば、ぶっつけ本番のブリンカー導入はミスタージーティーにおける皐月賞への本気度の高さの表れとも言える。1週前追い切りでは、シンエンペラーと併せ馬。最後はほぼ同入だったが「手応えはシンエンペラーを上回っていた」そうだ。

 最後に「この馬の決め手は世代トップクラス。鋭い決め手を活かせるようなレースをしたい」と力を込めた矢作調教師。3頭とも期待の高い馬であることは間違いないが、成長度の具合から、最も完成が早そうなミスタージーティーは「ここが勝負所」と捉えているようだ。

GJ 編集部

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