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元“サンデーサイレンスの再来”が苦境に直面?初年度産駒ジオグリフがクラシック制覇もその後は勢いに翳り…「大物種牡馬」の現在地

元サンデーサイレンスの再来が苦境に直面?初年度産駒ジオグリフがクラシック制覇もその後は勢いに翳り…「大物種牡馬」の現在地の画像1
撮影:Ruriko.I

 安田記念(G1)の週から始まった2021年生産馬による2歳新馬戦は、11日までに11レースが終了した。

 圧倒的な存在感を見せたのは現2歳が4世代目となるモーリスの産駒だ。ジャックドール、ジェラルディーナなどすでに3頭のG1馬を輩出しているモーリスだが、どちらかというと晩成型のイメージが強い。しかし、今年の2歳世代は2週を終えて早くもシュトラウス、ダノンエアズロック、ミルテンベルクの3頭が勝ち名乗りを上げた。

 そのモーリスに次ぐ2勝をマークしたのが新種牡馬のブリックスアンドモルタルである。1週目にテラメリタが勝利したのに続き、10日東京ではゴンバデカーブースも快勝。これまでに出走した3頭中2頭が勝ち上がるロケットスタートに、ネットの掲示板やSNSなどでは『サンデーサイレンスの再来』というワードも飛び交った。

「サンデーサイレンスは1990年代に登場し、あっという間に日本競馬の血統勢力図を塗り替えた名種牡馬です。無敗の三冠馬ディープインパクトを筆頭にスペシャルウィークやステイゴールドなど数多くの名馬を輩出。今は孫世代、ひ孫世代が国内外で活躍しています。

ただ、本馬は種牡馬としてあまりにも偉大すぎたため、国内では血の飽和状態に陥りかけています。そこで日本の馬産地で求められているのが30年前のサンデーサイレンスのような存在というわけです」(競馬誌ライター)

 サンデーサイレンスと同じくブリックスアンドモルタルを日本に導入したのは社台スタリオンステーション(SS)。第2のサンデーサイレンスとしての期待の高さは600万円という強気な種付け料にも表れており、社台ファームを中心に多くの良血繁殖牝馬が交配されている。

元“サンデーサイレンスの再来”が苦境に直面?

 その一方で、ほんの数年前にも『サンデーサイレンスの再来』と呼ばれた種牡馬がいたことも覚えているだろうか。それが、やはり社台SSがアメリカから導入したドレフォンである。

元サンデーサイレンスの再来が苦境に直面?初年度産駒ジオグリフがクラシック制覇もその後は勢いに翳り…「大物種牡馬」の現在地の画像2
ジオグリフ 撮影:Ruriko.I

 現役時代はダートの短距離路線で活躍した同馬だが、初年度からジオグリフがいきなり札幌2歳S(G3)を制覇するなど、産駒が大活躍。300万円だった種付け料は22年シーズンに2倍超の700万円に跳ね上がった。

 ジオグリフは3歳春に皐月賞(G1)を制覇。その後の活躍を期待されたが、日本ダービー(G1)で7着に敗れて以降は連戦連敗。そんなエース格の不調も相まって、現在ではドレフォンが『サンデーサイレンスの再来』と呼ばれることはほぼなくなっている。

「ドレフォンは種牡馬リーディング部門で、1年目から43位→16位→10位と着実に順位を上げているものの、勝ち鞍はダートに集中しています。今年挙げた52勝のうち実に45勝がダートでのもの。さらにJRAの重賞を勝ったのもジオグリフが最初で最後という状況です。次の大物誕生が待たれるところですが、その候補もなかなか出る気配がありません」(競馬誌ライター)

 もちろんドレフォンが今後大きく巻き返す可能性も、ブリックスアンドモルタルの産駒が期待ほど活躍できない可能性もあるだろう。しかし、30年前に比べて日本競馬のレベルが飛躍的にアップしたのは間違いない。改めて『サンデーサイレンスの偉大さ』を感じさせられる昨今だが、ブリックスアンドモルタルは“大き過ぎる期待”に応えられるだろうか。

GJ 編集部

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