【宝塚記念予想】数字だけでは分からない「激走サイン」を見抜け!C.ルメールや武豊の他にも特注馬多数…「高配当ゲット」のキーワードは目に見えない○○
大いに盛り上がった春G1も終わりを告げ、気が付けばはや1年の折り返し。自分的には東西金杯ですら、つい先日のことのよう……。歳を取るたびに「光陰矢の如し」を感じさせられる日々である。
“名誉の戦死”を遂げた某中川氏との座談会も終了したため、今回は黒井が単独で予想を担当することになった。
ということで今週末は上半期を締めくくる宝塚記念(G1)が開催。秋のスプリンターズS(G1)は約3ヶ月に渡る夏競馬の終わりを待たねばならないため、できることなら馬券を気持ちよく的中して英気を養いたいところ。
その一方で痛感したのは夏休みの有難さだ。学生時代には1ヶ月や2ヶ月の長期休暇もあったが、社会人になるとせいぜい数日の有給が取れる程度。例えとしては相応しくないと承知しつつも、ドウデュースの春全休や年に数回走るイクイノックスを羨ましくも思ったりもすると言ったら少々不謹慎だろうか。
そんな個人的な想いはともかくとして、人間と同じく競馬においても“ガス欠”は普通に起こり得る話。近年はゆとりのあるローテーションで万全の状態に仕上げてレースに出走するのが、主流となりつつある。
その代表格といえそうなイクイノックスも、年明け初戦のドバイシーマクラシック(G1)を圧勝し、2戦目に宝塚記念を選択した。陣営も疲れが抜けにくいと認めている馬だけに、秋も2戦か3戦くらいになりそうだ。
ただ、現役最強の呼び声の高い馬といえども、小回りの阪神・芝2200mを克服することは簡単ではないはず。美浦の坂路が閉鎖されたことにより、不慣れな栗東に滞在しての調整も強いられた。初めて背負う58キロの斤量、宝塚記念に2度出走した父キタサンブラックが、いずれも敗れたように不安もないわけではない。
同じく非根幹距離の有馬記念(G1)を圧勝した馬に難癖をつけるのは、申し訳ない気もするが、無敵に思えた昨春のエフフォーリアの例もある。穴党としては、あえて捻くれてみたい。
そこで今回「◎」に狙ってみたいのはヴェラアズールだ。
昨年にオープン入り初戦の京都大賞典(G2)でボッケリーニを一蹴し、続くジャパンC(G1)を最後の直線で前が詰まりながらも制した実力馬。近2走は二桁着順の惨敗が続いているが、大崩れした有馬記念は年間8走目だった。
あくまで個人の感想であるが、惨敗したこのときはジャパンC前に見せていた「唸るような」追い切りに比して、明らかに物足りなさを感じる内容だった。前走のドバイワールドC(G1)にしても、元々ダートから芝に転戦して素質を開花した馬なら、世界の強豪相手に凡走したとて情状酌量の余地はある。
不完全燃焼に終わったからこそダメージが残らなかったのも幸いか。追い切りを担当した福永祐一調教師が太鼓判を押したように、懸念していた状態面もV字回復。実際に最終追い切りをチェックしたが、ジャパンCのときほどではないにしろ、動きに軽快さと迫力が戻ったように映った。
また、阪神コースの舞台もこの馬にとっては悪くない。内回りで直線の短さを気にするよりも、そこは父エイシンフラッシュ譲りの一瞬の切れ味でカバーできそう。ジャパンCで迷わず「◎」を打てたのは、後方から桁違いの鬼脚で一瞬にしてボッケリーニを交わし去った姿を評価してのもの。「阪神開催の京都大賞典」だったこともポイントだ。
「○」に抜擢したのはアスクビクターモア。
こちらも近2走で惨敗続きだが、菊花賞(G1)の疲れが尾を引いていると考えた。レコードの出るレースは、見た目の派手さと裏腹に出走した各馬の肉体的精神的ダメージも大きい。こちらについては同レースに出走していたジャスティンパレスやガイアフォースも似たような兆候が見られた。
積極的な競馬で厳しいレースをした場合、目に見えない疲れが必ずある。休養を挟んだ彼らが徐々に復調を見せたのと同様に、アスクビクターモアもそろそろ出番だろう。状態さえ戻れば、弥生賞ディープインパクト記念(G2)でドウデュースを完封した実力は侮れない。小回りの中山で披露したパフォーマンスは宝塚記念の舞台に合う。
「▲」は敬意を表してイクイノックス。
武豊騎手を上回るペースで勝利を挙げるC.ルメール騎手に今更不安も何もないだろう。苦手といわれていた宝塚記念もクロノジェネシスであっさり勝利した。最大のライバル・ドウデュース不在のメンバーに負けるわけにはいかないだろうが、前述した不安要素も考慮して3番手とした。
「△」以下はダノンザキッド、ジェラルディーナ、ジャスティンパレスの3頭。
ダノンザキッドは、阪神巧者で4戦してすべて3着以内とめっぽう得意。1着は新馬戦のみだが、残る3戦はすべてG1なら質も量も申し分ない。実力の割にあまり人気しないのもお買い得で、前走の大阪杯(G1)も10番人気で3着に食い込んで万馬券をプレゼントしてくれた。
ジェラルディーナは「阪神」のエリザベス女王杯(G1)を優勝したので押さえておく。当初騎乗予定だった団野大成騎手から武豊騎手に乗り替わった点も気になる。こういうときのレジェンドは、何かをやってくれそうな期待感がある。
後は普段から推している鮫島克駿騎手に戻るジャスティンパレス。イクイノックスを選んだルメール騎手に捨てられた格好だが、鮫島駿騎手も乗れる若手の筆頭として期待している相手。春は不運な乗り替わりを経験したものの、手腕をアピールするには持ってこいの舞台設定となる。
最後に少しだけ色気を出して「★」ボッケリーニを入れておきたい。7歳馬とはいえ、強敵相手に好走を演じてきた。この馬も隠れた阪神巧者で6戦して馬券圏外に敗れたのは1度のみ。それも4着だったことを思えば凡走と無縁。兄ラブリーデイが8年前に制したレースで一発に期待したい。
ルメール騎手や武豊騎手が人気を集めそうなグランプリだが、数字に表れない「激走サイン」を見逃さずにお宝配当ゲットを狙う。
■黒井の予想
◎4枠8番ヴェラアズール
○6枠12番アスクビクターモア
▲3枠5番イクイノックス
△2枠3番ダノンザキッド
△6枠11番ジェラルディーナ
△5枠9番ジャスティンパレス
★2枠4番ボッケリーニ
※買い目は◎1着固定の3連単30点と◎1頭軸の3連複15点。
万が一、イクイノックスが凡走した場合も想定しておく。
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