
21年ぶりに世界最高峰の米ケンタッキーダービー(G1)挑戦。ラニの陣営から窺える「本気度」と「勝算」

今週末の7日(日本時間8日早朝)、いよいよアメリカ競馬の最高峰ケンタッキーダービー(G1)が開催される。
全米競馬の3歳クラシックの最初にして最大の関門となるケンタッキーダービーは、今回で142回目を迎える世界的にも伝統のあるレース。アメリカの競馬の祭典ブリーダーズカップを超える視聴率や観客数を誇るといわれている。
例えば、今年のドバイワールドC(G1)を圧勝し、現在世界1位の評価を得ているカリフォルニアクロームが、一昨年のケンタッキーダービーの勝ち馬であるように「ダートの3歳世界一を決める戦い」と述べても何ら過言はないのだ。
それでもダートより芝の戦いが重視される日本競馬のファンには、フランスの凱旋門賞(G1)などと比べて、あまり馴染みがないケンタッキーダービー。だが、今年は違う。
21年ぶりに「日本の競走馬」が、この3歳ダート世界一決定戦に挑戦するからだ。
それもこのラニ(牡3歳、栗東・松永幹夫厩舎)は、ただ夢や希望だけでケンタッキーダービーに挑戦するわけではない。何故なら、今のケンタッキーダービーは前哨戦となる指定されたレースで結果を残してポイントを稼がなければ、出走することすらできないからだ。
そういった点で、ラニは3月のUAEダービー(G2)を日本馬として史上初めて優勝。堂々とケンタッキーダービーの出走権を得て、世界の頂点に挑戦する。
ラニの母は、牝馬ながらに天皇賞・秋(G1)を制したヘヴンリーロマンス。父タピットは一昨年、昨年と2年連続で北米のリーディングサイアーに輝いているNo.1種牡馬。つまり、ラニは父から「抜群のアメリカダート適性」を引き継ぎ、母から「大舞台を勝ち切る底力」を得ているのだ。
鞍上は、日本人騎手の中で断トツの海外経験のある武豊。21年前にスキーキャプテンがケンタッキーダービーに挑戦した際も、その鞍上を務めた日本競馬界の帝王だ。それも現在、武豊騎手は1日の天皇賞・春(G1)、5日のかしわ記念(G1)とG1を連勝中。この勢いをアメリカにも持ち込みたい。
ただ、当然ながら越えなければならない壁は極めて高い。
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