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2016.05.07 12:11
21年ぶりに世界最高峰の米ケンタッキーダービー(G1)挑戦。ラニの陣営から窺える「本気度」と「勝算」
編集部
最大の強敵となるのは、無敗のナイキストだろう。現在7戦7勝の無敗馬で、2歳時にはBCジュヴェナイル(G1)を勝った2歳王者だ。3歳になってもフロリダダービーを3・1/4馬身差で完勝。ケンタッキーダービーだけでなく、クラシック全体で主役を務められるだけの大器だ。
他にも5戦4勝でケンタッキーダービー出走ポイントを”首位通過”したガンランナー、ウッドメモリアルS(G1)など4戦3勝のアウトワーク、前哨戦のブルーグラスS(G1)を勝ったブロディーズコーズなど、全米から優秀な3歳馬が集まるだけあって極めて層は厚いといえるだろう。
現地でのラニの評価は、決して高くはない。しかし、当然ながらラニの陣営も、ただアメリカに観光に行くだけで終わる気は毛頭ないはずだ。
武豊騎手はラニが「まだ一度も本気で走っていない」と言い、UAEダービーを勝った時でさえ「本当の能力を感じたのは、ゴール前だけだった」と”未完の大器”に高い期待を寄せている。
それに、元よりラニのずば抜けた素質を高く評価していた松永幹夫調教師は、今年の年頭からドバイ経由でアメリカクラシック参戦を見据えたローテーションをオーナーサイドと協議しており、この遠征がただの勢い任せでないことは明白だ。
ケンタッキーダービーの結果如何では、その先に続く2冠目プリークネスS(G1)、3冠目ベルモントS(G1)への出走も、当然ながら陣営の視野には入っていることだろう。
1995年。かつての朝日杯3歳S(現朝日杯FS)で「幻の三冠馬」フジキセキと互角の勝負を演じ、世代No.2と評されていたスキーキャプテンのケンタッキーダービー挑戦は、19頭立ての14着という厳しい結果に終わった。
あれから21年、年々目覚ましい進化を続けている日本競馬が、ダート競馬の最高峰アメリカとの”距離”をどれだけ縮められているのか。今やもう「無謀」ではなくなった日本調教馬ラニの挑戦は、それを証明する戦いでもあるはずだ。
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