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日本ダービーの向正面で「何」があったのか 「動いたルメール」と「動けなかったデムーロ」後手を踏んだ1番人気に”トドメ”を刺した「怨念」?


 1つはアドミラブルが、日本ダービーという大舞台で1番人気だったこと。「イタリアダービーを5回勝つより、1回の日本ダービーを勝つ方がうれしい」と祖国のダービーを持ち出して語ったのはデムーロ騎手本人だ。

 加えて、アドミラブルは管理する音無秀孝調教師にとって「キャリア23年で1番」と語る逸材。いくら百戦錬磨のデムーロ騎手でも、それほど馬の一生一度のダービーでリスクが高まる選択は容易ではなかった。

 万が一、自分が動いたせいで敗れれば……そんなわずかな躊躇いが、一瞬の判断を鈍らせたのかもしれない。

 だが、その「一瞬の判断の遅れ」が2つ目の問題で致命傷となる。

 わずかに動き出しが遅れたが、レースはまだ前半。幸いダービーは2400mもある。本来なら、挽回できる余地は十分に残されていた。ただし、挽回には「これ以上のアクシデントがなければ」という条件が付く場合がほとんどだ。何事も一度くらいのロスなら取り返せるが、そこにさらなるロスが重なると挽回するのは何倍も難しくなる。

 そういった観点からは、手痛いミスを犯したデムーロ騎手に”トドメ”を刺したのは、自身が捨てた「あの馬」だったのかもしれない。

 スローペースを見切ったルメール騎手のレイデオロが外から進出を開始した際、一瞬立ち遅れたアドミラブルよりも素早く後に続いた馬がいた。

 それこそが戸崎圭太騎手のペルシアンナイトだったのだ。

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