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【札幌記念(G2)展望】武豊ジャックドールが名牝エアグルーヴ以来の連覇に挑戦!豪華絢爛「スーパーG2」は今年もハイレベル

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ジャックドール 撮影:Ruriko.I

 20日、夏競馬では唯一のG2でもある札幌記念(G2)が札幌競馬場で行われる。今年もG1に“最も近い”といわれるスーパーG2の名に恥じない豪華なメンバーが集結した。

 主役は1997~98年エアグルーヴ以来の連覇を狙うジャックドール(牡5歳、栗東・藤岡健一厩舎)だろう。

 大阪杯(G1)5着から臨んだ昨年は、ハナを切らず好位から抜け出す競馬。ゴール前で逃げたパンサラッサを差し切り、新境地を開いた。ところが、飛躍を誓った秋は天皇賞・秋(G1)で4着、香港C(G1)で7着と結果を出すことができなかった。

 間隔を空けて臨んだ2走前の大阪杯は武豊騎手が絶妙なペースで1年ぶりに逃げの手を打つと、スターズオンアースの猛追をハナ差しのいでうれしいG1初制覇。1年前の雪辱を果たし、晴れてG1馬となった。

 そんなジャックドールが矛先を向けたのが前走の安田記念(G1)だった。それまで2000mの経験しかなかったジャックドールは、スタートでやや遅れたものの、すぐに盛り返し2番手から競馬を進めた。直線ではいったん先頭に躍り出て見せ場を作ったが、強豪マイラーたちの分厚い壁に阻まれ、5着に敗れている。

 ただし、勝ったソングラインとは0秒3差で、武騎手も「無謀な挑戦ではなかったし、またマイルで乗りたい」と振り返ったように、距離がダメだったわけではないだろう。

 今回は再び2000mに距離を戻し迎えるG1馬としての一戦。秋の大目標に据える天皇賞・秋に向けて無様な競馬はできない。

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シャフリヤール 撮影:Ruriko.I

 メンバーで唯一、複数のG1を勝利しているのは、ジャックドールと同世代のシャフリヤール(牡5歳、栗東・藤原英昭厩舎)だ。

 1つ目のG1タイトルを獲得したのは2年前の日本ダービー(G1)。無敗で皐月賞(G1)を制し、断然1番人気に支持されたエフフォーリアをゴール寸前で差し切って世代の頂点に立った。

 その後は神戸新聞杯(G2)とジャパンC(G1)で連敗を喫したものの、昨年のドバイシーマクラシック(G1)で2つ目のG1タイトルをゲット。テン乗りのC.デムーロ騎手の好騎乗に導かれて、国内外の強豪を撃破し、復活を印象付けた。

 ところが、その後は4戦連続で人気を裏切っており、何とか掲示板を確保している厳しい状況。巻き返しが期待された前走のドバイシーマクラシックも5着には入ったが、勝ったイクイノックスに約8馬身の差をつけられ完敗を喫している。

 今回は鞍上をエフフォーリアの主戦だった横山武史騎手にスイッチ。1週前追い切りで初コンタクトを取ると、『スポーツニッポン』の取材に対して「ダービー馬ですからね。そりゃいい馬ですよ。ただ、もう一段階(ギアを)隠している感じです」とコメント。その潜在能力を高く評価している。

 エフフォーリアのダービー戴冠を阻んだ現5歳世代の元王者として、G2で負けるわけにはいかない。


 昨年の香港ヴァーズ(G1)で待望のG1制覇を遂げたウインマリリン(牝6歳、美浦・手塚貴久厩舎)は、その一戦も含めて重賞を4勝、G1・2着も2回ある。

 今年初戦のドバイシーマクラシックは、イクイノックスやシャフリヤールの後塵を拝して6着。レース後には手塚師も「完敗です」と力負けを認めたが、「精神的にも大人になってどっしりとしてきましたし、もう一花咲かせて欲しい」ともコメント。陣営もまだ2つ目のG1タイトル奪取に色気を持っている。

 昨年もジャックドールとパンサラッサから0秒2差の3着に好走。コース実績がある点も魅力だろう。近3走はD.レーン騎手とコンビを組んでいたが、今回は1年ぶりに松岡正海騎手に手が戻る予定だ。

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ダノンベルーガ 撮影:Ruriko.I

 3頭のG1馬を追いかけるのはダノンベルーガ(牡4歳、美浦・堀宣行厩舎)。昨年の皐月賞で2番人気、続くダービーでは1番人気に支持されたが、ともに4着に終わった。

 その後は天皇賞・秋でイクイノックスに次ぐ末脚を発揮して3着。ジャパンCは5着だったが、最後の直線で受けた不利の影響も小さくなかった。

 今年初戦のドバイターフ(G1)は3/4馬身差の2着に敗れたが、先着を許したのは同レース3連覇を達成したロードノースなら仕方のないところ。初コンビを組んだJ.モレイラ騎手はポジションがやや後方になったことと、抜け出すのに手間取ったことを挙げた上で、「外に出してからは良く伸びてくれました。まだまだポテンシャルのある素晴らしい馬です」と、同馬の走りを高く評価している。

 注目の鞍上は、主戦の川田将雅騎手が他馬に騎乗するため、レース1週前の時点では未定のまま。誰が手綱を取るかにも注目が集まる。


 その川田騎手とコンビを組むのが、未完の大器プログノーシス(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)だ。

 出世の階段を上るのはややゆっくりだった期待のディープインパクト産駒だが、2走前の金鯱賞(G2)でようやく重賞初制覇。すると前走クイーンエリザベス2世C(G1)で、地元香港のロマンチックウォリアーの2着に健闘し、G1でも通用するところを見せた。

 夏の北海道は初参戦となるが、自慢の切れ味を生かせる展開になれば並み居る実績馬をまとめて差し切ってもおかしくはない。

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ヒシイグアス 撮影:Ruriko.I

 ヒシイグアス(牡7歳、美浦・堀宣行厩舎)は、中山記念(G2)2勝を含む重賞3勝を誇る。G1でも21年の香港Cと22年の宝塚記念(G1)で2着しており、今年の好メンバーが相手でも力は上位だろう。鞍上は松山弘平騎手からテン乗りの浜中俊騎手に乗り替わる予定だ。


 C.ルメール騎手とのコンビ継続で臨むのは、社台ファーム期待のソーヴァリアント(牡5歳、美浦・大竹正博厩舎)。チャレンジC(G3)を2連覇しているほか、3歳時にはセントライト記念(G2)でも2着に入っているが、一方で凡走も少なくない。その要因ともいわれる精神的な脆さが解消できれば、G1で通用してもおかしくない素質の持ち主。実りの秋に向けて、G2でリズムを取り戻したい。


 この他には、今年の中山金杯(G3)で重賞初制覇を飾ったラーグルフ(牡4歳、美浦・宗像義忠厩舎)、昨年のきさらぎ賞(G3)覇者で、近2走も大阪杯4着、天皇賞・春(G1)5着と掲示板を確保しているマテンロウレオ(牡4歳、栗東・昆貢厩舎)、昨年のホープフルS(G1)2着のトップナイフ(牡3歳、栗東・昆貢厩舎)など、G1と呼んでもおかしくないメンバーがそろった。

 ここで結果を出して秋の飛躍につなげるのは果たしてどの馬か。今夏最大の注目レースは、20日の15時45分に発走を予定している。

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