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オールカマー(G2)団野大成「勝っても乗り替わり」の噂に現実味…ノーザンファームの巧みな戦略と恩恵受ける○○の懐事情

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撮影:Ruriko.I

 今夏、短期免許(8月19日~9月18日)を取得していたJ.モレイラ騎手だが、日本での騎乗は今週末がラストウィーク。ブラジルへの海外渡航などもあった関係で、9月の騎乗はなかったが、3日間開催はローズS(G2)のコンクシェル、セントライト記念(G2)のレーベンスティールをはじめ、勝ち負けを期待できそうな有力馬が揃った。

 ただ、騎乗馬が結果を残したとしても、秋華賞(G1・10月15日)や菊花賞(G1・10月22日)には日本を離れており、一般的に継続騎乗が望ましいと考えられるG1だが、陣営としても乗り替わりは避けられない。

 ただ、多くの有力馬を抱えるノーザンファーム系の馬に関しては、大きな割引材料とはならないという声もあるようだ。

「短期免許で来日する外国人騎手のバックアップをすることも多いノーザンファームですが、以前のように1ヶ月や2ヶ月の滞在ではなく、2~3週間のショートステイに方針を切り替えつつあるようです。今年の秋も新たな外国人騎手が来日すると見られており、G1に出走する有力馬の手綱を任されるケースが増えるでしょう。

頻繁に海外遠征する超一流騎手たちにとっては、大舞台での騎乗も慣れたもの。乗り替わりでは勝てないといわれた日本ダービー(G1)も、今年はD.レーン騎手が見事な騎乗でジンクスを克服。勝利請負人のような彼らが重宝されるのも分かる話です」(競馬記者)

 また、そんなノーザンファームと外国人騎手たちの蜜月関係の裏で、その恩恵を受けている存在がいる。

 それは、騎手が調教師から騎乗依頼を受けるにあたり、本人に代わって受付を行う騎乗依頼仲介者、すなわちエージェントのことである。

 現在、日本人騎手にとっては、質のいい騎乗馬を集められるエージェントと契約することが重要なファクターの1つになっている。かといって肝心の騎手に実力がなければ、いいエージェントと契約することは不可能であり、エージェントもまた良質な騎乗馬を揃えることができなければ、トップジョッキーと契約することは不可能。こちらについては運命共同体といったところか。

 その一方、短期免許で来日する外国人騎手については、そうとは限らないようだ。

団野大成騎手「勝っても乗り替わり」の噂に現実味…

「有力な外国人騎手たちは、来日段階でノーザンファームがバックアップしているため、G1などの大レースの騎乗が数ヶ月前から決まっていることも珍しくないようです。

その取り分も、基本的に騎手がもらえる進上金の5〜7%が相場といわれており、例えば今年のジャパンC(G1)なら1着賞金が5億円ですから勝てば騎手に2500万円。5%が取り分なら、その内125万円がエージェントの懐に入る訳です。

単純にレースの時間だけなら、わずか数分で大金が手に入るのですから、勝つ可能性が高い外国人騎手のエージェントをやりたがる人が多いのも納得です。

中には、一時的にお抱えの日本人騎手との契約を解除してでも担当するケースすらあります。しかも、ほとんどの依頼がノーザンファームからなので営業する苦労もありません。極論を言えばノーザン系の馬だけ依頼を受けていれば、腕達者な外国人騎手は結果を出してくれるので、中堅の日本人騎手を担当するより楽なくらいでしょう。

また、日本人同士で馬を“取った取られた”というしがらみもないので、人間関係に気を使う必要もありません。

一例を挙げると、オールカマー(G2)のジェラルディーナに団野大成騎手が騎乗予定ですが、おそらく結果を出したとしても本番のエリザベス女王杯(G1)は外国人騎手に乗り替わる可能性が高そうです。仮に乗り替わった場合でも、管理する斉藤崇史調教師も弟子の団野騎手に告げるのなら気持ち的にまだ楽ですが、G1前に武豊騎手が継続騎乗をしていたなら、同じようにはいかないはずです。事前にそういったことを見越して手を打っているとしたら、さすがですね」(競馬記者)

 こういった先のことまで念頭に入れて騎乗馬の騎手を調整しているなら、エージェントにとってノーザンファームとその生産馬に騎乗する外国人騎手は、非常に有難い取引先といえそうだ。記者によると近年はこのような傾向が続いたこともあり、乗り替わりを告げられる日本人騎手側にも「短期免許の外国人騎手が相手なら仕方ない」という風潮も強まっているらしい。

 騎乗馬の降板と背中合わせの日本人騎手からすれば、商売敵となる外国人騎手の来日は有難くないものの、ノーザンファームと繋がりの強いエージェントにとっては、効率よく賞金を稼いでくれる頼もしい助っ人たちである。そういう意味では、世界的にも賞金の高い日本での騎乗に意欲を見せている外国人騎手たち以上に、秋のG1シーズンを楽しみにしているのは、彼らを担当するエージェントなのかもしれない。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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