「完成形」に近づくナミュールに連戦も海外も問題なし…引退馬続出のマイル戦線、来年の主役に躍り出るか

10日、シャティン競馬場で行われた香港マイル(G1)は、ゴールデンシックスティ(セ8歳、香港・K.ルイ厩舎)が勝利。長期休養明けの大外枠も苦にせず、日本馬5頭の挑戦も退けて、衰え知らずの8歳馬がG1・10勝目を飾った。
日本馬の中では、3着のナミュール(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)が最先着だった。先月19日のマイルCS(G1)で念願のタイトルを掴んだ充実ぶりを示すかのように、初の海外遠征でも好走してみせた。
小柄な馬体のナミュールだが、同レース2日前の馬体重は450kg。前走のマイルCSよりも4kg減った程度。2着に入ったヴォイッジバブルが557kgだったことを踏まえると、馬体重で100kg以上の差はあった。
能力だけでなく、体質面への評価もさらに高まっている。以前は「レース間隔が詰まると厳しい」と懸念された馬が、この秋は10月の富士S(G2)から、海外を含む3連戦でいずれも好走。担当の小川調教助手も「見違えるように体質が強くなった」と、そのタフさを評価したほどだ。
しかし香港マイルを終えて、管理する高野師は「勝ちに来ての3着なので、満足とは言わずに糧にしていきたい」と悔しさも露わにした。この結果をバネに次を見据えるコメントから、早くも次走に期待が高まっている。
「引退馬続出」マイル戦線の主役へ
このままパワーアップを続ければ、ナミュールは来年のマイル戦線でも主役級の1頭だろう。今年はソダシ、ソングライン、シュネルマイスターなど、強豪マイラーの引退が相次いだ。G1馬たちが去り、手薄も予想される来年のマイル路線だが、ナミュールが台頭する可能性は高い。
もちろん一線級のライバルも手強い。同じくG1馬のセリフォスやシャンパンカラーなどの復活もあれば、新たな刺客も現れるだろう。彼らを迎え撃つ“新女王”は、どんなレースを見せてくれるのか。
そんなナミュールに高野師も大きな期待を寄せていることは、先述のコメントからも伺える。マイルCS前の共同会見でも「4歳秋には凄いことになる」「期待していただいて結構だと思います」など、大いに自信を覗かせており、有言実行でG1を勝ったことは記憶に新しい。
マイルCSの後には、同馬主の先輩リスグラシューのような成長に期待するとも語っていた。2歳時から素質を見せ、4歳秋の香港ヴァーズ(G1)では2着に好走したリスグラシュー。今年の香港を経て、よりナミュールに近い印象を持ったファンも多いだろう。
5歳時のリスグラシューはG1・3連勝も果たし、まさに完成形の状態だった。来年5歳を迎えるナミュールも、同じような成長曲線を描きたいところ。来年はどんなローテーションを歩むのか、今から楽しみでならない。
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