
まさかの逆走にヒヤリ…C.ルメール絶賛の元ダービー候補「初障害」でまさかの競走中止。厳しい再出発も「まだ見限れない」理由

3日、小倉5Rに行われた障害4歳以上未勝利。2021年のサウジアラビアロイヤルC(G3)勝ち馬で、ここが初障害だったコマンドライン(セン5歳、美浦・武井亮厩舎)だが、スタートが切られてもゲート内で膠着し進んで行かず、まさかの競走中止となった。
ディープインパクト産駒の同馬は、母が米国G1馬のコンドコマンド。一口馬主クラブのサンデーレーシングにおいて総額1億4000万円の高価格で募集され、美浦の名門・国枝栄厩舎に入厩。調教に跨ったC.ルメール騎手が「来年のダービーを予約しておきます」と絶賛したほどの逸材であり、デビュー2連勝でサウジアラビアRCを制するなど、間違いなく「超エリート」だったといえる。
だが、続くホープフルS(G1)を1番人気12着に敗れたことで歯車に乱れが生じたか。翌年は日本ダービー(G1)を除外されてしまい、ダートのジャパンダートダービー(G1)に出走したもののシンガリ負け。休み明けのキャピタルS(L)でも最下位の18着に敗れると長期の放牧へと出された。
その間にコマンドラインは去勢されてセン馬となり、現在の武井厩舎に転厩。ほぼ1年ぶりの出走だった前走のアンドロメダS(L)でも16頭立ての14着に見せ場なく終わると、陣営は平地戦に見切りを付けたのか、ジャンプレースに新境地を求めることとなった。
障害練習ではやや荒いながらも、勢いのある飛越を披露していた。レース当日はかつてのダービー候補に復活を期待する声も聞かれたが、先述の通り発走の合図後に発馬機内で膠着……レースに参加することなく敗れている。
「去勢されていることからも察せられるように、今回は気性面での難しさが出てしまいましたかね……。
なおコマンドラインは鞍上の石神深一騎手がゲートにつかまり、いったん馬から下りようとしたところで空馬の状態のまま走り出してしまいました。放馬となり、レース中の馬たちの近くを通過するなど一瞬ヒヤリとするシーンが見られましたが、何事もなかったことは不幸中の幸いでした」(競馬誌ライター)
あの絶対王者オジュウチョウサンも初障害はシンガリ負け

レース後、コマンドラインには「令和6年2月4日から裁定委員会の議定があるまで出走停止」という厳しい処分が下されることとなった。
障害デビュー戦は相当厳しい結果に終わったコマンドラインだが、先述の通り競馬にはほぼ参加していないことから、ジャンプレースでの能力は現時点で未知数であるともいえる。
あのジャンプG1・9勝を挙げた絶対王者オジュウチョウサンでさえも、障害初戦は1着馬から13秒以上もの大差をつけられた最下位という、目も当てられないような大惨敗を喫していた。そう考えるとコマンドラインもこの一戦だけで見限ることはまだできないか。
果たしてかつてのエリートは、再び輝きを取り戻すことができるだろうか。
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