【京都記念(G2)展望】武豊ドウデュースの復活劇から1年…今年はエリザベス女王杯2着ルージュエヴァイユVS未完の大器ベラジオオペラ!
11日、京都競馬場では伝統の中距離重賞、第117回京都記念(G2)が行われる。昨年はドウデュースが日本ダービー(G1)以来となる復活勝利を飾り、その後の有馬記念(G1)制覇へとつなげた。今年もこのレースを勝って、飛躍する馬は現れるか。
主役候補はルージュエヴァイユ(牝5歳、美浦・黒岩陽一厩舎)と、ベラジオオペラ(牡4歳、栗東・上村洋行厩舎)の2頭だろう。
前者は3歳の春にオークス(G1)に出走し、6着と善戦。3歳秋に2勝クラス、3勝クラスを連勝し、重賞での活躍が期待された。ところが古馬初戦の愛知杯(G3)で12着に敗れると、続くメイS(OP)は10着と、2戦連続となる大敗を喫した。
ただ、その2戦は出遅れや不利などもあって、かみ合っていなかったのも事実。真の実力を発揮したのは、昨年6月に行われたエプソムC(G3)だった。
同レースでは7番人気まで評価を落としていたが、ジャスティンカフェの2着に好走。さらに秋初戦の府中牝馬S(G2)でディヴィーナにハナ差に詰め寄り、重賞制覇まであと一歩に迫った。
そして迎えたエリザベス女王杯(G1)は5番人気とここでも伏兵扱い。しかし、中団追走から直線で内を伸びると、3戦連続となる2着に入った。優勝したブレイディヴェーグには3/4馬身及ばなかったが、ハーパーやライラックといった強豪相手には堂々の先着を果たした。
いまだ重賞を勝ち切ることができていないが、今回はメンバー唯一のG1連対馬として、目標とされる存在になりそう。強豪牡馬相手に一昨年のユートピアS(3勝クラス)以来となる勝利を挙げられるかに注目だ。
そんなルージュエヴァイユと一騎打ちムードを漂わせているのが、昨年にデビュー3連勝でスプリングS(G2)を制したベラジオオペラである。
無傷の4連勝を懸けて挑んだ皐月賞(G1)では、ファントムシーフとソールオリエンスに次ぐ3番人気に支持された。同レースでは先行策を採ったが、ハイペースに巻き込まれる形で直線失速。ソールオリエンスから1秒8差の10着と大敗を喫した。
続くダービーでは9番人気と評価は急落。ロードカナロア産駒とあって、2400mの距離も不安視された。ところが中団インで脚を溜めると、直線でしぶとく伸びて、勝ったタスティエーラとタイム差なしの4着に健闘。世代牡馬の中で上位の実力があることを示した。
その後は秋の大目標を菊花賞(G1)に設定したが、夏負けの影響で同レースを見送り。12月のチャレンジC(G3)で約半年ぶりの実戦復帰を果たした。
同レースでは、ダービーから20kg増の馬体重で、やや余裕残しにも見えたが、ボッケリーニとデッドヒートの末、ハナ差で下して重賞2勝目。今回はメンバー強化となるが、一度使われた上積みも見込まれており、あっさり連勝を飾ってもおかしくないだろう。
ルージュエヴァイユとベラジオオペラの2強を追う3番手集団は混戦模様だが、重賞2勝の実績馬プラダリア(牡5歳、栗東・池添学厩舎)を取り上げないわけにはいかない。
3歳時に青葉賞(G2)を制し、続くダービーでも5着に好走。古馬になってからは中長距離路線で惜敗続きだったが、昨秋の京都大賞典(G2)で1年5か月ぶりとなる勝利を挙げ、復調を印象付けた。
勢いに乗ってB.ムルザバエフ騎手とのコンビで有馬記念にも挑戦。16頭立ての12番人気という伏兵だったが、道中は3番手につける積極策を採ると、4コーナーまでは粘りを見せていた。勝負所でもスターズオンアースと並んで必死に食い下がったが、直線に入ると力尽きて後退。結局14着でゴールした。
今回は復活勝利を挙げた2走前と同じ京都が舞台。その時と距離こそ1ハロン違うが、同じ外回りなら、重賞3勝目を飾る可能性は十分あるだろう。
マテンロウレオ(牡5歳、栗東・昆貢厩舎)は、昨年の当レースでドウデュースの2着だった。その後も大阪杯(G1)4着、天皇賞・春(G1)5着と上位争いを演じた。
だが、夏以降は不振に陥っていた。復調の兆しを見せたのは、2走前のチャレンジC。ここでベラジオオペラと0秒3差の5着に奮闘すると、前走・中山金杯(G3)はトップハンデを背負いながらも0秒4差の7着と粘走している。引き続き横山典弘騎手とのコンビで、久々の勝利を狙う。
近5走のうち4走で2桁着順に沈んでいるラヴェル(牝4歳、栗東・矢作芳人厩舎)は、初の年長馬相手にきっかけをつかみたい。2歳秋のアルテミスS(G3)では、のちの三冠牝馬リバティアイランドを撃破している実力馬だけに、思わぬ激走があってもおかしくないだろう。
この他には、3歳時に世代限定重賞を2勝しているバビット(牡7歳、栗東・浜田多実雄厩舎)、2年前に当レースを制したアフリカンゴールド(セ9歳、栗東・西園正都厩舎)、2勝クラスと3勝クラスを連勝中のブレイヴロッカー(牡4歳、栗東・本田優厩舎)など伏兵陣の層も厚い。
G1馬こそいないが、まずまずのメンバーがそろった今年の京都記念。4年ぶりに京都へ舞台が戻ってきた伝統の一戦を制するのは果たしてどの馬か。発走は11日、15時35分の予定となっている。
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