M.デムーロの「飛行機ポーズ」炸裂!高松宮記念を制したコパノリチャードが送る乗馬ライフ vol.40
かつて観衆を沸かせた名馬の“今”を紹介!
走り終えた今も、観衆を魅了したあの日の輝きは、決して色褪せない。
全国で暮らす、名馬の個性と“今”を集める『ウチの子はあの名馬!個性にLOVE❤︎ 引退馬コレクション』をお届けします!
今回のコレクションは、2014年の高松宮記念(G1)などを制した、コパノリチャード!
現在は、北海道新冠町にある、にいかっぷホロシリ乗馬クラブで暮らしているとのこと。
そのお世話をしている外の人さんにマル秘情報をたくさん聞いちゃいました!
外の人さん
(にいかっぷホロシリ乗馬クラブ 業務部主任)
ウマ歴:30年
出身地:北海道
趣味:映画鑑賞、読書
休日の過ごし方:家のお手伝い
コパノリチャード
ニックネーム|ドン
生年月日|2010年4月15日
生産者|ヤナガワ牧場
馬主|小林祥晃
戦績|22戦6勝(2着2回,3着0回)
獲得賞金|3億450万円(中央)
主な勝鞍|2013年 アーリントンC(G3)、2013年 スワンS(G2)、2014年 阪急杯(G3)、2014年 高松宮記念(G1)
父|ダイワメジャー
母|ヒガシリンクス
母父|トニービン
ここにきた日|2021年7月27日
ラブリーデイを下して重賞初制覇
2012年11月に京都競馬場でデビューしたコパノリチャードは、2歳新馬戦で逃げて初勝利を挙げると、3戦目の白梅賞(3歳500万下、現・3歳1勝クラス)もハナを奪う競馬で後続に5馬身差を付けて2勝目をマーク。
次走のアーリントンC(G3)は、W.ビュイック騎手の継続騎乗で出走したコパノリチャードが単勝2.2倍の1番人気に推される中、3番人気には後に宝塚記念(G1)や天皇賞・秋(G1)を勝利するラブリーデイが、4番人気には読売マイラーズC(G2)勝ち馬のレッドアリオンがいるメンバー構成。
レースは、2番手から逃げ馬を見る位置取りで先行し、中盤が緩むスローペースのまま直線へ入ると、持ったまま逃げ馬を交わして先頭に立ち、最後まで後続を寄せ付けずに押し切って重賞初制覇を果たしました。
挫折からの復活劇
アーリントンC(G3)優勝後の2013年4月、風水の第一人者といわれ、同世代のG1馬コパノリッキーのオーナーでもある「Dr.コパ」こと、小林祥晃氏にとっても初のクラシック出走となる皐月賞(G1)に出走。
5番人気の支持を受けた同馬はスタートから飛び出して逃げると、緩みの無いペースで馬群を引っ張って競馬を進めましたが、4コーナーで後続のロゴタイプやエピファネイアなどが殺到。
最後は一杯となってしまい、初のG1挑戦は13着に大敗。
次走のNHKマイルC(G1)でも、直線半ばまでは先頭に立っていましたが、マイネルホウオウなどの後続に交わされて8着。
さらに、一度休養を挟んで迎えた9月のポートアイランドS(OP)でも、16着のブービーに大敗しました。
デビューからの順風満帆な戦績とは一変し、ここ3戦とも大きく負けてしまったコパノリチャードは次走、距離を短縮してスワンS(G2)に出走。
レースでは、スムーズにハナを奪って軽快な逃げを見せると、比較的緩やかなペースのまま直線へ。
余力を残したまま追い出すと、2番手で進めた重賞3勝のマジンプロスパーや、前年優勝のグランプリボス、ダイワマッジョーレなどの強豪各馬を封じ、先頭でゴール。
デビュー戦以来の1,400mで、見事な復活劇を披露しました。
「飛行機ポーズ」炸裂の高松宮記念
年が明けて2014年の阪急杯(G3)では、最内枠から得意の逃げで押し切り、重賞3勝目を挙げたコパノリチャードは、次走で初の1,200m挑戦となる高松宮記念(G1)に出走。
ここでは、後にヴィクトリアマイル(G1)を連覇し、スプリンターズS(G1)を優勝するストレイトガール、短距離重賞3勝で同年スプリンターズS(G1)2着のハクサンムーンに続く3番人気に推されました。
レースはエーシントップが飛ばしてハナを奪い、コパノリチャードは2番手を追走。
同型が多く、先行集団は激戦と予想されたものの、“逃げ宣言”をしていたハクサンムーンが出遅れたことで位置取りも早くに確定。
直線に入り、逃げたエーシントップが3馬身のリードを取っていましたが、後続を離して単独2番手から追っていたコパノリチャードが残り200mで捉えて抜け出し、独走状態に。
最後は2着のスノードラゴンに3馬身差を付けて、見事G1初勝利を挙げました。
なお、入線時に鞍上のM.デムーロ騎手が両手を広げて行った「飛行機ポーズ」は、出身国のイタリア・ローマで英雄と呼ばれるサッカー選手、ヴィンチェンツォ・モンテッラのゴールパフォーマンスを意識したものでしたが、御法違反とされ過怠金を科されることとなり、競馬ファンに留まらず広く世間でも話題となりました。
第44回 高松宮記念(G1) 2014.3.30 中京 曇・不良 芝1,200m 18頭
競走引退、種牡馬引退、そして今
その後も同年末の阪神C(G2)では、安田記念(G1)勝ち馬のリアルインパクトにハナ差の2着となるなど、5歳まで競馬を続けたコパノリチャードでしたが、大敗が続いた後の2015年12月に引退。
2016年よりレックススタッドで種牡馬入りを果たし、2021年までの6シーズンで70頭を競馬に送り出し、地方重賞の船橋記念2勝馬・キモンルビーなどを輩出しました。
種牡馬引退後は第3の余生を過ごすため、現在の「にいかっぷホロシリ乗馬クラブ」に移動し、乗馬として活躍しています。
「かしこさ☆5」、「食欲☆4」が特色でしょうか。
皐月賞(G1)出走時も、初の長距離輸送ながら飼葉桶に首を突っ込んで食べていたというエピソードがありますが、その食欲は今も旺盛なのですね!
担当している外の人さんに、コパノリチャードの“印象的なエピソード”を聞いてみました!
「普段はマイペースの、どちらかというと一匹狼ですが、ホロシリ乗馬クラブ唯一のポニー「ブラウンシュー」のボディーガードをいつもしてくれる優しさを持っています。」
現役時も前目の競馬で、4歳までは逃げることも多かったコパノリチャード。
“一匹狼”の性格も、それに由来しているのでしょうか…?
コパノリチャードは、ブラウンシューのことが大好きなのですね!
食べているシーンが多いこと!
食欲☆4も納得です!
いつも一緒にいる仲良しの2頭。
他の馬とは絡まないというコパノリチャード、2頭だけの世界なのですね。
初めての人でも乗れるおとなしい馬です。
なかなか味わえないG1馬の背中を体験しに、ぜひホロシリ乗馬クラブにお越しください!
外の人さん、コパノリチャードのマル秘情報をたっぷりご提供いただき、ありがとうございました!
なお、コパノリチャードの見学を希望される方は、にいかっぷホロシリ乗馬クラブさんのクラブハウスにて、一声かけていただければ見学可能とのことです。
そして、にいかっぷホロシリ乗馬クラブさんのSNSからも、コパノリチャードの姿をチェックできるので、ぜひフォローしてみてください♫
X(旧:Twitter)|@horoshiriRC
WEBサイト|http://horoshiri.jp/
協力:にいかっぷホロシリ乗馬クラブ
取材・文:片川 晴喜
編集・デザイン:椎葉 権成
制作:Creem Pan
著作:Creem Pan・GJ
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