
T.オシェア「存在感なし」のまま馬質急降下…。レガレイラ、シックスペンスらの代打浮上もG1騎乗予定なし。UAEのレジェンドが大きく躓いた「あの一鞍」とは

UAEのレジェンドが鳴り物入りで日本初参戦も…
オークス、日本ダービー、そして安田記念と、春のG1開催もいよいよ佳境に入ってきた印象だ。
だが、各カテゴリーの頂上決戦にC.ルメール騎手や川田将雅騎手、J.モレイラ騎手や武豊騎手など多くのトップジョッキーの名が連なる中、あの名手の名が挙がってこない。
短期免許で参戦中のT.オシェア騎手だ。
先月27日から初の日本競馬参戦を果たしたオシェア騎手は、近3季連続を含む過去12度にわたるリーディングを獲得したUAEのレジェンドだ。今年のドバイワールドC(G1)やドバイゴールデンシャヒーン(G1)でも日本馬を破って優勝。来日が決まった際には、身元引受調教師の国枝栄師も「上手いと聞いているから楽しみ」と期待を寄せ、「良い馬を用意してるよ」と“助っ人外国人”の参戦を楽しみにしていた。
そんなオシェア騎手は日本初の騎乗となったレースで、いきなり2着。「ペースもドバイと似ている雰囲気で、乗りやすい印象」と感触を掴むと、同日の8Rで日本初勝利を達成。「国枝先生をはじめ、数多くの調教師からのサポートをもらっている。このまま数多く勝ちたいと思っています」と感謝を述べると、最後は「アリガトウ」と日本語で締め括るなど、まさに順風満帆のスタートを切ったように見えた。
しかし、そこから3週が過ぎたが、ファンは肝心のG1レースでオシェア騎手の雄姿が見られていない。さらに冒頭でも触れたとおり今週のオークス、来週の日本ダービー、再来週の安田記念でもUAEのレジェンドジョッキー参戦の報は聞かれないままだ。
「ここまで(12日現在)で4勝を挙げるなど、決して悪い成績ではないのですが、今一歩インパクトに欠ける印象です。特に来日当初は人気馬に乗る機会も多かったのですが、先週は13鞍に騎乗して1番人気は勝利した3歳未勝利だけ。2、3番人気の騎乗もなく、二桁人気が目立つなど、明らかに馬質が落ちている印象です」(競馬記者)
記者曰く、こうなってしまったのは「外的な要因」が大きいという。

「実はオシェア騎手の来日が決まった時は、ルメール騎手がドバイで負傷して戦線離脱中でした。そういった背景もあって、その代役を期待する声も少なからずあったのですが、ルメール騎手が早々に復帰……。
先々週はNHKマイルCを含む3鞍の騎乗だけでしたが、先週からは“通常運転”に戻っており、オシェア騎手の馬質が急降下したことと無関係とは言えないでしょう。『もしものために呼んだけど、やっぱり……』なんてことにならなければ良いのですが」(同)
実際に、昨年のホープフルS(G1)で史上初の牝馬による勝利を挙げたレガレイラは、ルメール騎手が不在だった皐月賞(G1)で北村宏司騎手が手綱を取ったものの6着。ファンの間では、続く日本ダービーの鞍上にオシェア騎手の名も挙がっていた。
しかし、ルメール騎手が復帰したことであっさりと元鞘に。また、ルメール騎手の手綱でスプリングS(G2)を勝ったシックスペンスは身元引受調教師となる国枝厩舎の管理馬だが、こちらも川田騎手との新コンビが発表された。
UAEのレジェンドが大きく躓いた「あの一鞍」とは…
「オシェア騎手にとって、痛かったのは初の重賞騎乗となった青葉賞(G2)で結果が出なかったことですね。ルメール騎手の代役として騎乗したヘデントールは1番人気に支持されましたが、スタートでやや後手を踏むと後方から8着に追い上げるのがやっとでした。
レース後にオシェア騎手も『リズム重視で運ぼうと思ってあの位置からになりましたが、スピード有利の馬場でしたからね』と作戦の意図を語っていましたが、結果的には前が止まらない日本の高速馬場の洗礼を受けた格好。残念ながら『今日は位置取りの差』という本人の言葉通りだったと思います」(同)
また、オシェア騎手は青葉賞の翌日に、今度はオークスの出走権が懸かったスイートピーS(L)に騎乗。国枝厩舎で、こちらも「前走ルメール」だったベストミーエヴァーは4番人気に推されたが、結果は3着だった。
有力馬に騎乗した青葉賞、スイートピーSで優先出走権を獲得できていれば、少なくともオークスや日本ダービーは騎乗できていた可能性がある。
「G1で、ベストなパフォーマンスはできました」
先週のヴィクトリアマイル(G1)で4番人気2着と復調ぶりをアピールしたルメール騎手。騎乗したフィアスプライドは国枝厩舎の管理馬であり、オシェア騎手も東京で騎乗していたが出番はなかった。
果たして、オシェア騎手の日本初参戦はこのまま大きなインパクトを残せずに終わってしまうのだろうか。短期免許の期間は6月の宝塚記念(G1)まで。UAEのレジェンドジョッキーの意地に期待したい。
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