平安S(G3)実績抜群リピーターに黄色信号!? グロリアムンディでもハギノアレグリアスでもない激走候補馬2頭【週末重賞ピックアップ】
オークス(G1)前日の18日、京都競馬場で平安S(G3)が行われる。2021年、2022年は中京競馬場で開催されていたが、昨年から改修が終わった京都競馬場に戻ってきた。
京都競馬場での平安Sは、リピーターが多いことで知られる。過去10年でも2014年1着、2015年2着、2016年2着に入ったクリノスターオー、2016年3着、2017年2着のクリソライト、2019年3着、2020年1着オメガパフュームがいた。
今年は昨年の1着グロリアムンディ(牡6歳、栗東・大久保龍志厩舎)、2着ハギノアレグリアス(牡7歳、栗東・四位洋文厩舎)が出走を予定している。例年通りならば、上位進出も期待できるが、今年は少し事情が違うようだ。
■リピーター勢に不安要素あり!?
昨年の勝ち馬グロリアムンディは、続くコリアC(G3)こそ2着と好走したが、その後チャンピオンズC(G1)13着、東京大賞典(G1)6着、川崎記念(G1)9着と凡走が続く。
特に2番人気に支持されていた前走の川崎記念では、中団で進むも2周目3角手前から失速。鞍上の坂井瑠星騎手も「ペースが上がって手応えがなくなり、ついていけなくなりました」と話すなど、早々と上位争いから後退した。結局、勝ち馬ライトウォーリアから4秒4もの大差をつけられ、尾を引きそうな敗北を喫している。
またもう一方のハギノアレグリアスは、今年に入ってダイオライト記念(G2)3着、前走のアンタレスS(G3)3着と馬券圏内には入っているが、勝ち切れない競馬を続けているためか、関係者のテンションは高くない。
前走は好スタートから好位につけて進むも、最後のひと伸びを欠いていた。この中間からは改善を促すため、チークを着けて調整しているものの、「良化度合いはスロー」とスタッフは明かしている。
また平安Sは近年6歳以上の馬が不振。ハギノアレグリアスも馬体こそ若く見えるものの、今年で7歳と加齢による衰えは否めないか。
■激走候補2頭
人気上位が予想されるリピーターの調子が上がってきていないようだ。ならば間隙を突く1頭として名が挙がるのが、良血馬スレイマン(牡6歳、栗東・池添学厩舎)だ。
9歳上の姉は名牝ジェンティルドンナ。芝でデビューしたものの結果が残せなかったため、ダートに転向したところ才能が開花した。
OPクラスで足踏みを続けていたが、昨年ブリンカーを着けたことで一変。馬券圏内に入る走りを連発すると、今年に入って門司S(OP)を勝利し、前走のアンタレスSでも2着と好走した。
前走は大外枠ながらバツグンのスタートで、前に出ると逃げ馬を見る形で2番手追走。勝負どころから進出を開始し、一度は余裕の手応えで先頭に立ち、そのまま押し切るかに見えた。だが、ソラを使う悪癖が顔を出したこともあり、ゴール前で交わされて無念の2着に終わっている。
レース後はノーザンファームしがらきに放牧に出され、平安Sを目標に今月頭から入厩した。中間の稽古では良い行きっぷりを見せ、関係者も「折り合いもついていました。前走からのレース間隔もちょうどよく、状態は上がっています」と、テンションは高い。
少しよそ見したことで、目の前に迫った重賞初制覇にスルリと逃げられたスレイマン。前走の借りを返す走りを見せて、秋のダート重賞戦線に殴り込みをかけたいところだ。
もう1頭、虎視眈々と上位進出を狙うのはメイプルリッジ(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。
長らく3勝クラスの壁を超えられないでいたが、前走でついに突破した。道中は5、6番手で先団を見る形で追走。最後の直線で上がり最速となる末脚を使い、先に抜け出したルクスフロンティアを交わし、2着には3馬身差つけて優勝を果たしている。
1走叩いたことで状態はさらに向上。中間の稽古でも、リズム良く加速する上々の行きっぷりを見せた。ラストの反応がイマイチに見えたものの、関係者によれば、「この辺りも、その後修正できました。身のこなしに気になる点は見当たりません」と強気な姿勢を崩さない。
実績の無さから伏兵扱いに留まっているメイプルリッジが人気上位陣を丸ごとごぼう抜きにすることもあり得るだろう。
リピーターが馬券圏内に入るのか、それとも重賞未勝利馬が上位進出を果たすのか。平安Sは15時35分からの発走を予定している。
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