キズナ産駒が思わぬ低空飛行!? ジャスティンミラノ輩出も初日は億超えゼロ…大好評のライバルに「トリプルスコア」の惨敗

今年も大盛況で幕を下ろしたセレクトセール。2日間の合計落札総額は289億1800万円となり、過去最高だった昨年の281億4500万円を更新し史上最高額となった。
中でも目を引いたのがエピファネイア産駒の好調だ。
エピファネイアといえば、今年の上半期だけで産駒がG1・4勝を挙げる大活躍。中でも日本ダービー(G1)を制したダノンデサイルは、一昨年のセレクトセール出身馬であり、1億3500万円(税抜、以下同)という価格でオーナーのダノックスに落札されていた。
そんなエピファネイア産駒は、今年もダノンベルーガの半弟となるコーステッドの2023(牡)が3億9000万円で落札されるなど、初日の1歳部門だけで3億円超えが4頭も出現。当歳部門が行われた2日目も、カリーナミアの2024(牡)に3億7000万円の値がつくなど、当歳・1歳を合わせて億超えホースは9頭にも上った。
2日間で計18頭が取引され、合計落札価格は28億9400万円。1頭あたりの平均落札価格は1億6077万円となった。ノーザンファームの吉田勝己代表も「エピファネイア産駒が凄く良かったと思います」と称賛していた。
その一方で、思いのほか価格が上がらなかったのがキズナ産駒である。
キズナ産駒が思わぬ低空飛行!?
キズナも今春は産駒のジャスティンミラノが皐月賞(G1)を優勝。他にもクイーンズウォークやシックスペンス、ジューンテイクが重賞を勝つなど、3歳世代の活躍が非常に目立った。現在はロードカナロアやエピファネイアを抑えて種牡馬リーディングのトップに君臨している。

ちなみにキズナとエピファネイアは現役時代の同期であり、2013年の日本ダービーでワンツーフィニッシュを決めたライバル関係にあったことも知られる。2頭の仔であるダノンデサイルとジャスティンミラノも今年のダービーで1、2着となっており、両馬の関係性は種牡馬になってからも続いているといえそうだ。
そんなリーディング種牡馬キズナの産駒は初日に9頭が上場されたが、最高価格はヴィアフィレンツェの2023(牡)の8200万円にとどまり、億超えは1頭も現れなかった。2日目になって、ようやくモルトアレグロの2024(牡)が1億4500万円、シーウィルレインの2024(牡)が2億1000万円の値をつけたが、2日合わせても億超えホースはこの2頭のみだった。
2日間の合計落札価格は21頭で13億6600円。1頭あたりの平均落札価格は6504万円となり、1億6077万円だったライバルのエピファネイアとは、実にトリプルスコアに近い差がつく結果となった。
とはいえ、当然のことながら落札価格が高いからといってその産駒が必ずしも走るわけではない。
平均落札価格ではライバルに惨敗を喫したキズナ軍団だが、今年のセレクトセールで取引された若駒たちが来年以降、どのように競馬場を盛り上げてくれるか非常に楽しみだ。
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