
「伝説の朝日杯」から新たな重賞ウイナーが誕生! ドウデュースはじめG1馬が4頭…遅れてきた「好素材」が初タイトル

今年の小倉競馬のフィナーレを飾った中京記念(G3)。実力拮抗のハンデ重賞を勝ったのは56歳の大ベテラン・横山典弘騎手とのコンビで臨んだ5番人気のアルナシーム(牡5歳、栗東・橋口慎介厩舎)だった。
アルナシームはイクイノックスやドウデュースと同じ5歳世代。2歳時には朝日杯フューチュリティS(G1)に参戦し、勝ったドウデュースと0秒5差の4着に好走していた実力の持ち主。その後は気難しい性格も災いし、出世がやや遅れていたものの、20戦目にして待望の初重賞制覇となった。
3度目のコンビで勝利に導いた横山典騎手は検量室に引き上げてくる際、両拳を突き上げてガッツポーズ。「とても繊細な馬で、リズムだけ気をつけて乗りました」「このままいい状態で秋競馬を迎えられればと思います」と、会心の勝利に喜びもひとしおといった様子だった。
また、アルナシームが重賞を勝利したことにより、先述した2021年の朝日杯FS組で6着以内に好走した馬のすべてが重賞ウイナーとなった。
「伝説の朝日杯」から新たな重賞ウイナーが誕生

このレースは優勝したドウデュースが後に日本ダービー(G1)と有馬記念(G1)も制しており、2着セリフォス、3着ダノンスコーピオンもそれぞれG1ホースとなるなど、非常にハイレベルのメンバーで争われた一戦だった。
5着ジオグリフも翌年に皐月賞(G1)を制覇。同馬はその後、ややスランプに陥ったが、今年に入り復調の兆しを見せている。6着トウシンマカオもその後、スプリント重賞を3勝しており、今秋のスプリンターズS(G1)では有力馬の1頭となるだろう。
そんな好メンバーが顔を揃えていた3年前の朝日杯FSで、アルナシームは4着に健闘していたのだから、後に重賞タイトルを手にすることは、もはや時間の問題だったのかもしれない。
「同じレースに出走していた馬がG1を勝つと『伝説の~』と例えられることがよくありますが、これだけG1ホースや重賞ウイナーが出ているのですから、この年の朝日杯FSも伝説といっておかしくないですね。
ちなみにこのレースで7着だったのが、藤田晋オーナーが所有するディープインパクト産駒のドーブネ。ここまで重賞勝ちこそありませんが、中山記念(G2)で惜しい2着などがあり、G3ならいつ勝ってもおかしくないと思います」(競馬記者)
アルナシームは中京記念で今年6戦目とコンスタントに使われてきたこともあり、今後は放牧に出される予定。次走は未定のようだが、管理する橋口調教師は「今なら2000mでも問題ない。まだ成長の余地があるので頑張ってほしい」と期待を込めていた。
遅れてきた5歳世代・朝日杯FS組の好素材が、秋の競馬も盛り上げてくれそうだ。
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