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ソダシ、ビワハイジも制した札幌2歳S…記憶に残る34年前の名勝負【東大式必勝馬券予想】

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東大式必勝馬券予想
東大式必勝馬券予想

 1年余りにわたってご愛顧いただいたこのコーナーも今回が最終回です。

 東大生時代に培った生物学見地からの馬券必勝法をお届けして参りましたが、卒業から42年、確率論から更に新法則を発見した。

 それは“強い2頭が抜けているとき、3連単より3連複がお得”。昨年のジャパンC(G1)を例にとればイクイノックス→リバティアイランド→スターズオンアースで3連単が1130円、3連複は600円。イクイノックスとリバティアイランドは初対戦で58キロvs54キロの斤量差もあり、ジェンティルドンナvsオルフェーヴルを知る人なら3連単で1・2着の裏表は押さえるだろう。そして1-3着もありうると思えばヒモ1頭につき3~4通りは買うことになる。

 ところが3連複なら1通りでよく、件のジャパンCなら1130<600×2、これで十分QED(証明終り)。3連単1000円より3連複2000円の方が払い戻しが多いのだ。おそらく馬券購入者の損得勘定と心理学的要素もからんでいるのだろうが、この法則は特に未勝利戦や新馬戦で威力を発揮するので、頭の隅に置かれてはいかがだろう。

将来の名繁殖牝馬を輩出することでも注目

 閑話休題、8月最後の31日には札幌2歳S(G3・芝1800m)が行われる。1966年の創設当時は砂・ダートで行われていたが芝コースができてからはニシノフラワー、ジャングルポケット、最近ではソダシ、ジオグリフといった後のクラシック馬が勝ち名乗りを上げてきた。

 思い出のレースは札幌芝2年目の1990年、優勝は牝馬スカーレットブーケである。父は8年連続(以降も続き11年)リーディングサイアーのノーザンテースト、母は社台ファームが輸入した良血の米国産スカーレットインク、栗東の伊藤雄二厩舎と何もかもが一流の彼女は七夕の日、札幌新馬戦で単勝1.6倍の支持を受け2着に5馬身差の楽勝デビューを飾る。

 そして札幌3歳S(当時)に駒を進めるのだが1番人気は初戦を7馬身差の圧勝、同じ父を持つノーザンドライバー、2番人気は後にホープフルS(OP・当時)を制し皐月賞(G1)でも人気となる牡馬サクラヤマトオーで、スカーレットブーケは5番人気。良馬場・曇り空の下9頭のゲートは開く。

 3ハロン33秒8の速いペースでノーザンドライバーが軽快に飛ばしスカーレットブーケは3番手集団の好位置を進む。3コーナーで先頭をうかがおうと進出したときに前がふさがり、的場均騎手が立ち上がるほどの不利を受けたが、直線では怯むことなく馬群を割って抜け出し、追いすがるプリンセスロマンスを1馬身3/4振り切って先頭ゴール、初重賞を手にした。

 ノーザンドライバーは5着に沈んだが、翌春のクラシックでは桜花賞(G1)3着、オークス(G1)4着のノーザンドライバーに対しスカーレットブーケは4着、5着と後塵を拝するも、2頭揃って”天馬の最美娘“シスタートウショウvs”裸足のシンデレラ”イソノルーブルの名勝負の引き立て役となってしまった。

 スカーレットブーケは古馬になっても京都牝馬特別(G3)、中山牝馬S(G3)を連勝、ターコイズS(OP・当時)も制し引退するが、繁殖牝馬となってダイワメジャー(G1・5勝、種牡馬)、ダイワスカーレット(G1・4勝、12戦全連対)という日本競馬史上に残る兄妹の母となるのは諸兄ご存じの通り。

 1995年にもブエナビスタら重賞勝ち馬6頭を産んだビワハイジが制した札幌2歳Sには“繁殖牝馬のスーパーG3”の称号を与えたい。ソダシもこれから頑張ってね!

 この辺で最後の「東大馬券王の大よそー」に移ろう。

 ビワハイジは3番人気、ソダシも2番人気だっただけに“栴檀は二葉より芳し”の事前予想は難しい。しかしここ5年の絶対的傾向として“1~2番人気のどちらかは3着以内に必ず入る”“3着以内は人気薄でも6番人気まで”。登録馬を見渡せばソダシのレコードを破って新馬勝ちしたキングスコールが1番人気、新馬・コスモス賞(OP)と連勝したアスクシュタインが2番人気だろう。

 買う馬券は決まった!冒頭で述べた“案外お得な3連複”でこの2頭を軸に3~6番人気への4通りをド厚めに。キンスコール1頭軸で2~6番人気5頭への10通りをやや厚め、アスクシュタイン1頭軸で同様の10通りを押さえに。最後は見事的中で読者の皆様へのプレゼントとしたいな。

 再来週から秋競馬、そして私の東大式の競馬人生はまだまだ続きます。どこかで皆様にまたお会いできることを願っています。ありがとうございました。

尼崎昇

尼崎昇

初めて見たダービー馬はタニノハローモア。伝説的な名馬の走りをリアルタイムで見てきた筋金入りの競馬通は「当たって儲かる予想」がモットー。過去に東京大学で競馬研部長をつとめ、スポーツ新聞やラジオ解説を担当した勝負師の素顔は「隣の晩ごはん」や「おもいッきりテレビ」などの大ヒット番組を手掛けたキー局の元敏腕プロデューサー。德光和夫、草野仁ら競馬界の著名人との親交もあり、競馬談義を繰り広げる仲である。

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