どん底の「アドマイヤ軍団」を救った功労馬・アドマイヤリードがクイーンSから始動!セレクトセールにて「約6億」の超高額馬を落札した大物馬主に「復権」の兆し!?
アドマイヤムーンの「事件」を引き金として起こった武豊騎手、そして社台グループとの確執など、事実と憶測が混ざった様々な事情もあり、近年は以前の輝きを失ってしまっていた近藤利一オーナー率いる「アドマイヤ軍団」。今年春の牝馬クラシック候補として期待されていたアドマイヤミヤビも桜花賞で人気を裏切り、終わりの見えないスランプはまだまだ続くかと思われた……そんな矢先の出来事だった。
大物馬主の窮地を救ったのは、まだ重賞タイトルすらものにしていなかった4歳牝馬のアドマイヤリード(牝4、栗東・須貝尚介厩舎)。3歳時に桜花賞で5着に入るなどまずまずの活躍を見せていたものの、続くオークスや昨秋のローズSではいいところなく敗退。当時はさすがの近藤オーナーも、後にG1馬にまで成長するとは想像していなかったのではないだろうか。
それまでの頼りなさが一気に払拭されたのが、今年初戦の北大路特別(1000万下、芝1800m)。大外から猛然と追い込んで逃げ粘るエイシンティンクルを捉え、約1年2カ月ぶりの勝利を挙げると、続く飛鳥S(準オープン、芝1800m)ではナムラシングンやアップクウォークらを3馬身置き去りにする完勝劇。このあたりから徐々に重賞タイトルが視野に入り始めた。
久々の重賞挑戦となった阪神牝馬Sにて、鞍上が名手ルメール騎手にスイッチ。ここではミッキークイーンの後塵を配したものの、ぬかるんだ馬場を物ともせずラチ沿いから強引に脚を伸ばし、最低限の2着を確保。春の女王決定戦であるヴィクトリアマイルへの優先出走権を獲得する。
本番ではまだ実力が認知されていなかったのか、単勝13.5倍の6番人気という低評価。しかし、レースぶりは実に堂々たるものだった。道中は後方寄りのラチ沿いをロスなく追走。他馬がスパートかけ始める4コーナー出口のあたりでもルメール騎手はまだ手綱を動かさず、馬なりのままジリジリと前との差を詰める。
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