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JRA屈指の大ベテラン・蛯名正義に「スランプ脱出」の兆し!? 今年度最多の土日3勝&待望の重賞2勝目で1993年以来の「50勝割れ」阻止へ試練は続く……

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 しかし、自身約7カ月ぶりの重賞Vも面持ちを明るくさせるには至らなかったように思う。というのも、蛯名騎手は今年、デビュー以来「最大のピンチ」を迎えているからだ。

 8月26日(土)の時点で、今季通算の勝鞍はわずか26。全国リーディングではやっとベスト30に入る程度で、1994年から一貫して15位以内をキープしてきた彼にしてみれば、約四半世紀ぶりの低水準に甘んじている。

 原因の一端に、JRAが導入を目論む「兼業エージェント廃止」を3月に率先して取り入れた反動があるのは確かだが、やはり一番の理由は体力の衰えだろう。競馬界の大スター・武豊騎手と同じく、来年度にはもう50代を迎えるJRAでも有数のベテラン。気力は衰えずとも体力面の減退を止めることはやはり簡単ではない。

 しかし、夏競馬に入って彼は往年の輝きを取り戻しつつある。6月はわずか1勝にとどまったが、札幌記念週は土日のメインレースを含む今年最多の3勝を挙げ、7~8月合計で10勝をマークした。何より、一介の伏兵にすぎなかったサクラアンプルールをG2制覇へ導いたあたり、本来の調子が戻ってきていることを予感させるものがある。

「武豊騎手や横山典弘騎手とともに競馬界を長年に渡って牽引してきた大御所ですが、去年あたりから以前の豪快さが見られなくなったように思います。しかし、彼の持ち味はなんといっても大舞台での勝負強さ。昨年の宝塚記念ではキタサンブラックとドゥラメンテを敵に回しながら人気薄のマリアライトで見事な勝利を挙げました。平場のレースではいざしらず、G1ともなるとやはり経験豊富なベテランの腕には信頼がおけますからね」(競馬記者)

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