真剣勝負の裏にある真実に斬り込むニュースサイト・GJ
GJ
真剣勝負の真実に切り込むニュースサイトGJ
NEW
2017.10.28 08:45
角居勝彦調教師が「死刑判決を待つ心境」と語った伝説の天皇賞・秋。ウオッカとダイワスカーレットに審判が下されるまでの「13分間」
編集部
レースが終わっても、東京競馬場を包む興奮は収まらなかった。
電光掲示板に表示された赤い「レコード」の文字と共に示されたのは、シンボリクリスエスが記録した従来のコースレコードを遥かに凌駕する「1分57秒2」。その瞬間、火に油を注いだようにスタンドのざわめきは、さらに大きくなった。
2008年11月2日、第138回天皇賞・秋(G1)。この戦いが競馬史に残り続ける激戦であったことは、レースを見守ったすべての人々の心に深く刻まれた。しかし、その「栄光」は誰のものなのか。内のダイワスカーレットか、または外のウオッカか――。
その答えを知るものは、その時、その場に誰1人としていなかった。
フジテレビの中継実況を担当した青嶋達也アナはレース後、ただ一言「すごい」と言葉を絞り出し、数秒後、それを噛みしめるように再び「すごい」と唸った。言葉では形容できない異様な雰囲気が、そこにはあった。
東京競馬場の大型ビジョンにリプレイが映し出され、すべての人々が目を凝らしたが、決着を判断できる者はいない。ある者は「ダイワスカーレットが粘りきった」と言い、またある者は「ウオッカの差しが届いた」と反論する。しかし、確信はどこにもなかった。すべては写真判定に委ねられていた。
両馬に騎乗し、最も間近で接戦を演じた本人たちでさえ、勝敗の行方がわからなかった。ダイワスカーレットの安藤勝己騎手も、ウオッカの武豊騎手もウイニングランをしないで引き揚げてくる。ウオッカを管理する角居勝彦調教師は、その様子を4階の調教師席から見守っていた。
「これで負けたら、もう二度とダイワスカーレットには勝てない」
PICK UP
Ranking
5:30更新- C.ルメールが「過怠金」横山典弘が「騎乗停止」に賛否両論!? 覚悟の突撃と不可抗力…JRAの一貫した判断とは
- “リバティアイランドは怪我で回避”最強牝馬不在が意味するもの。ヴィクトリアマイルで社台グループの深すぎる内部事情!
- 【日本ダービー】「力があるね」「大したもん」田原成貴氏&安藤勝己氏も高評価!打倒ジャスティンミラノに「最大の惑星」が名乗り
- 25年ぶりのJRA最多勝記録更新も視野!? 川田将雅に匹敵する3着以内率62.2%…今「最も信頼できる騎手」森一馬が凄い!
- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 【NHKマイルC】アスコリピチェーノ主戦を背に追い切りも【日本ダービー】武豊がキタサンブラック弟と挑む最多7勝目【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
- J.モレイラ、日本ダービー「本命」はレガレイラを破った4.5億円ホース!? 皐月賞2着コスモキュランダ乗り替わり発表から、鮮やかな優駿切符ゲット!
- C.ルメール「がっくり」まで繰り返さなくても!? 3歳マイル王ジャンタルマンタルが「あの名マイラーにそっくり」と話題
- クロノジェネシス元主戦が「油断騎乗疑惑」で騎乗停止処分!ノーステッキ楽勝ムードからまさかの敗戦…「後味の悪さ」残る結果もキズナ産駒の素質馬がデビュー勝ち
- JRA「理由なき」単勝115.9倍の皐月賞(G1)勝利に呆然……ナリタブライアンのレコードを塗り替えたのは、約110億円分を一瞬で「紙クズ」にしたお騒がせホース
- 「素行不良」で干された若手の更生に関西の大御所が名乗り! 福永祐一を担当した大物エージェントもバックアップ…関係者から「優遇され過ぎ」の声