
【G1回顧・日本ダービー】 「世紀の一戦」に相応しい濃密なレースを制したのはマカヒキ。究極の「5強」が示した競馬の未来

29日に開催された日本ダービー(G1)。史上空前のハイレベルと目された世代の頂点を決める争いは、その前評判に違わぬ壮絶な、素晴らしいレースとなった。
そして、そのレースを制し世代の頂点に立ったのはマカヒキ(牡3歳・友道厩舎・栗東)。2着となったサトノダイヤモンドとの鬼気迫る叩き合いをハナ差制しての悲願の勝利となった。鞍上の川田将雅騎手、友道康夫厩舎は初のダービー制覇、金子真人ホールディングスは、個人名義ふくめキングカメハメハ、マカヒキの父ディープインパクトに続く3度目の頂点を達成した。
レースを振り返ろう。スタートはマウントロブソンとレインボーラインが出遅れるなど少々バラついた。ハナを主張したのは予想通りのマイネルハニー、プロフェットとアグネスフォルテが続き、4馬身離れてプロディガルサンとエアスピネル、アジュールローズが追う。エアスピネルは今回もしっかりと好位5番手を捉え、その操縦性の高さを改めて見せつけた。
中団の先頭には、人気の一角サトノダイヤモンド。その直後にマカヒキ、さらにディーマジェスティと、上位人気3頭が一塊。それぞれがそれぞれを意識した位置取りだったといえるだろう。マカヒキとディーマジェスティは、皐月賞を考えるとずいぶんと前につけたということになる。その後にはスマートオーディンやロードクエスト、ヴァンキッシュランなどが虎視眈々と狙う。リオンディーズは後方からレース全体を睨んでいた。
1000m通過は60秒フラットで、この時点では前後の位置取りの不利はほぼない平均ペース。しかし、1000m過ぎからの2ハロン、向こう正面で12.9 – 13.1と一気にペースが緩む。ダービーにありがちな傾向ではあるが、レースの方向性がスタミナ勝負ではなく「瞬発力勝負」となった転換点といえるだろう。
3コーナーを過ぎたあたりで馬群が徐々に凝縮されていく。直線に入るころには5番手エアスピネルの直後にサトノダイヤモンドがつけ、マカヒキ、ディーマジェスティも進出を開始。前方に馬を置かない状況という点で、サトノダイヤモンドとエアスピネルは理想的な形で直線に入ったといえるだろう。
ここで、サトノダイヤモンドの後ろにつけたマカヒキが内、ディーマジェスティが外へと「分かれた」。ここが最終的に大きな差となって表れる。
マカヒキはエアスピネルとサトノダイヤモンドの間に入ったが、2頭の空間は狭く、なかなか進路を確保することができない。サトノダイヤモンドはエアスピネルとの差を徐々に縮める。
サトノダイヤモンドが少しヨレながらもエアスピネルを捉えかけた瞬間、ようやく空いたスペースに一気にマカヒキが突っ込み、サトノダイヤモンドとマカヒキが並んで先頭に踊り出た。一瞬のキレ味に勝るマカヒキがサトノダイヤモンドをわずかにリードして残り100m。
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