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米クラシックを戦い抜いた武豊とチーム・ラニが日本競馬に与えた衝撃。「世界で勝つ」という野心が今、日本のダート競馬を動かす

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 ケンタッキーダービーで9着、プリークネスSで5着、そして最後のベルモントSであわやの3着入賞を果たしたのは、まさにラニという競走馬の特徴を完全に把握したチーム・ラニの戦略の結果。至極残念なことに勝利には届かなかったが、それでも確固たる道は示せたはずだ。

 来年から3歳トップクラスのダート馬を所有する陣営が、この時期に重賞のない日本競馬に見切りをつけて、北米のクラシックに挑戦することが当たり前になるかもしれない。

 それほど、今回のラニの挑戦は日本のホースマンに強いインパクトを残した。

 そして、武豊騎手が「また、この馬でアメリカに来たい」と言い張り、松永調教師も「またアメリカに戻って、次は勝ちます!」と口を揃えているように、チーム・ラニの挑戦もまだ”第一章”を終えたばかりであるようだ。

 今後の日本競馬、特にダート競馬がどのように変化してゆくのか……芝よりも遥かに国際的成熟が遅れている日本ダート競馬の転換期が今、訪れているのかもしれない。
(文=浅井宗次郎)

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