【徹底考察】函館スプリントS(G3) シュウジ「早熟?スプリンター?不振に苦しむシュウジの『本当』の姿とは」
『考察』
「シュウジは、完璧にスプリンターだよ」
ここに進む以前から、いや、2歳の時からすでに言われていたことだが、いよいよそれが正しいのか間違っているのかがはっきりする時がきた。小倉2歳S(G3)の覇者シュウジが、今週末の函館スプリントS(G3)で古馬陣と初対決を迎える。
小倉2歳Sを勝つまでの3連勝の時点では「デビューしている馬の中で最も強いのでは」と高い評価を得ていたシュウジ。まさに順風満帆のスタートだった。
だが、現在のシュウジがここまで苦しんでいるのは、もしかしたらあの時に「小倉2歳Sを使ったせい」である可能性は拭えない。
実はシュウジは今でこそ須貝厩舎の所属馬だが、今年の2月末に調教師が引退するまでは橋口厩舎の所属馬だった。その上で橋口弘次調教師は出身地の小倉競馬に特に力を入れていることで有名で、小倉だけで重賞10勝。当然ながら小倉の平地重賞をすべて制しているほど、思い入れが強い。
昨年が、そんな橋口弘次調教師のラストウィーク。デビュー戦を1400mで快勝し、2戦目はマイルに距離を伸ばしての連勝。そんな馬が、その後の選択肢を狭める1200mを使う必要がどこにあるだろうか。
普通に考えれば1400m→1600mと連勝した馬は、結果が出続ける限りマイル以上の距離を使っていくだろう。何故なら、小倉2歳S以降、翌年の日本ダービーが終わるまで2、3歳馬が出走できる1200mの重賞は一つも存在しないからだ。
無論、シュウジが1200mの小倉2歳Sを使った理由は明るみになっていないが、まず定年を迎える橋口弘次調教師を慮っての決定だったと考えられる。
結果的にシュウジはその後、勝てていない。無論、デイリー杯2歳S(G2)で負けたのはエアスピネルで、朝日杯FSはG1だ。単純にシュウジの力が足りなかったせいもあるだろう。ただ、特にひどいのが3歳になってからのここ2戦の内容だ。2戦ともさっぱりで「もう終わった」とさえ言われている。
特に壊滅的なのが2走前のファルコンS(G3)だった。
レースはスタートからの3ハロンが「33.3秒」とまずまず速いペース。シュウジはその流れを3番手で追走し、直線でズルズルと後退。まったく見せ場なく12着に大敗している。
スタートからの3ハロンが「33.3秒」それも不良馬場だったことを考慮すれば、この時期の3歳馬にしては過酷なペース。だが、ほぼ同位置で競馬したシゲルノコギリザメが3着に粘り、直後にいたラズールリッキーが5着している以上、ハイペースの先行は言い訳にならない。
不利や出遅れもなく、そうなると敗因は身体か馬場のコンディションに絞られてくる。
まず身体のコンディションだが、ファルコンSは昨年の朝日杯FSから3カ月ぶりのレースだった。ただ、それ以上に2月に橋口弘次調教師が引退して須貝厩舎に転厩したことが、大きくコンディションに影響した可能性がある。
実際にレースを終えた岩田康誠騎手は「返し馬の時から走りにくそうだった。レースは自信を持って臨んだが、3コーナーで手応えが怪しくなった。去年の暮れと比べて、馬が小さくなった感じがした」と馬場よりも、むしろコンディションの不備を指摘している。
次に馬場コンディション、つまりは不良馬場への適性だが、これは次の【血統診断】を参考にしていただきたい。
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