GJ > 競馬ニュース > 【徹底考察】ラブリーデイ
NEW

【徹底考察】宝塚記念(G1) ラブリーデイ「最優秀4歳上牡馬はもう終わったのか。昨年の覇者が不振を脱出する『鍵』は確実に存在する」

【この記事のキーワード】, ,
raburi-deis.jpgラブリーデイ(JBISサーチ公式サイト

『考察』

 昨年は宝塚記念(G1)と秋の天皇賞(G1)を含めた重賞6勝を挙げ、最優秀4歳上牡馬に選出される大活躍だったラブリーデイ。

 だが、さらなる飛躍が期待された今年、休み明けの大阪杯(G2)では4歳馬の勢いに飲まれる形で4着、初の海外遠征となったクイーンエリザベス2世C(G1)でも4着と思わぬ苦戦を強いられている。

 一時は宝塚記念と天皇賞・秋を含む重賞4連勝していた馬が、ジャパンC(G1)の3着敗戦を機に4連敗。それも有馬記念(G1)の5着以降ここ3戦は馬券圏内にすら絡めていない。ラブリーデイはもう終わったのか、昨年ほどの強さはもうないのか。

 今回は、前走の香港クイーンエリザベス2世Cではなく、宝塚記念と同じ阪神で舞台設定が近い2走前の大阪杯を振り返りたい。

 4月に行われた大阪杯にはラブリーデイを筆頭にキタサンブラック、ショウナンパンドラ、アンビシャス、イスラボニータ、ヌーヴォレコルトにタッチングスピーチなど、宝塚記念にも出走を予定している豪華メンバーが集った。

 レースはキタサンブラックと武豊がスタートからじわりとハナを奪いに行くと、外から並びかけようとするマイネルラクリマを制して、あっさりとレースの主導権を握った。

 スタートから2ハロン目を11.5秒と加速してセーフティリードを作ると、ここから”豊マジック”が発動。次の1ハロンを12.5秒にシフトダウンさせると、そこから12秒台を連発。気が付けば、前半の1000m通過が「61.1秒」というスローペースを作り上げていた。

 ラブリーデイは2番枠からの発走ということもあり、好位の内側を獲りに行ったがヌーヴォレコルトに先んじられ、イスラボニータやショウナンパンドラに外から蓋をされると、中団の7番手までポジションを下げている。

 実はこの時点で、ラブリーデイの苦戦はほぼ確定的な状況になっていた。

 まず、先述した通りレースは絶妙なペースで逃げるキタサンブラックの武豊が1000m通過61.1秒の超スローペースを作り出し、完全に支配しているだけに前にいるほど有利な展開だ。

 その上で、内から包まれる形で11頭中7番手までポジションを落としたラブリーデイ。本馬が道中のポジションを7番手以下に落としたことは一昨年の金鯱賞(G2)以来であり、やはりその時も4着に敗れている。それはつまり好調だった昨年には、一度もなかったということだ。

 今や超一流馬の一角として勝負強い印象のあるラブリーデイだが、シーズンベストの昨年でさえ、上がり3ハロンでメンバー最速の末脚を繰り出したのは、メンバーが楽だった秋の京都大賞典(G2)だけである。

 言い換えれば、ラブリーデイが勝負強かったのは「5番手より前の好位から、出走メンバーの中でも優秀な末脚(1位~4位)を繰り出すことができていた」からだ。

 これこそが特別切れる脚が使えるわけではない、もっと言えば末脚のキレに限界のあるラブリーデイの必勝パターンであり「昨年の6勝は、すべてこのパターンに該当」する。

 そして、逆に連勝が止まったジャパンC以降のレースでは、その位置取りが6番手、7番手と微妙に下がっているせいで、やはり微妙に届かない4着、5着といった競馬が続いている。

 つまり、言い換えればラブリーデイの連敗が続いているのは、能力が落ちたからというわけではなく、大事に乗り過ぎて位置取りが微妙に上がっているために、限界のある末脚では届かないレースが続いているからだ。

 実際に、この大阪杯でもラブリーデイは6番手から、上がり3ハロン「33.4秒」というメンバー中2位の末脚を繰り出している。しかし、この末脚は2番手から勝ち切ったアンビシャスと同タイムであり、逃げて2着だったキタサンブラックとも0.2秒しか違わず、3着だったショウナンパンドラには0.1秒及んでいない。

 だからこそ、ラブリーデイの大阪杯は先述した3頭に後れを取った4着だったのだが、逆に言えば、本馬は昨年とほぼ同等のパフォーマンスを発揮しているといえる。つまり最も大きな敗因は「位置取りの差」だ。

【徹底考察】宝塚記念(G1) ラブリーデイ「最優秀4歳上牡馬はもう終わったのか。昨年の覇者が不振を脱出する『鍵』は確実に存在する」のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

17:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. C.ルメールが「過怠金」横山典弘が「騎乗停止」に賛否両論!? 覚悟の突撃と不可抗力…JRAの一貫した判断とは
  2. 【日本ダービー】「力があるね」「大したもん」田原成貴氏&安藤勝己氏も高評価!打倒ジャスティンミラノに「最大の惑星」が名乗り
  3. “リバティアイランドは怪我で回避”最強牝馬不在が意味するもの。ヴィクトリアマイルで社台グループの深すぎる内部事情!
  4. 25年ぶりのJRA最多勝記録更新も視野!? 川田将雅に匹敵する3着以内率62.2%…今「最も信頼できる騎手」森一馬が凄い!
  5. 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 【NHKマイルC】アスコリピチェーノ主戦を背に追い切りも【日本ダービー】武豊がキタサンブラック弟と挑む最多7勝目【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
  6. テーオーロイヤル、ドゥレッツァの骨折も無関係ではない!? タイムトライアルのような京都の高速馬場…宝塚記念前の「怪時計連発」に懸念の声
  7. JRA「理由なき」単勝115.9倍の皐月賞(G1)勝利に呆然……ナリタブライアンのレコードを塗り替えたのは、約110億円分を一瞬で「紙クズ」にしたお騒がせホース
  8. J.モレイラ、日本ダービー「本命」はレガレイラを破った4.5億円ホース!? 皐月賞2着コスモキュランダ乗り替わり発表から、鮮やかな優駿切符ゲット!
  9. クロノジェネシス元主戦が「油断騎乗疑惑」で騎乗停止処分!ノーステッキ楽勝ムードからまさかの敗戦…「後味の悪さ」残る結果もキズナ産駒の素質馬がデビュー勝ち
  10. J.モレイラ「出禁回避」へ負けられない戦い! 桜花賞馬ステレンボッシュは「騎乗不可」、日本ダービーでも悩ましい選択?