
【2016上半期プレイバック】3歳牡馬編「キラ星の如く現れた多くの俊英。『史上最強世代』襲名は、あの名騎手の一言から始まった」
5月

皐月賞が終わり、いよいよクラシックの勢力図が見えてきたが、今度はダービートライアルの青葉賞(G2)がハイレベルな決着。レースを制したのは、内田博幸騎乗の『ヴァンキッシュラン』。2400mで先頭を譲ったことがない(3戦2勝、1着降着が一度)ということもあって、一躍ダービーの有力馬に登りつめた。
続く、京都新聞杯(G2)では圧倒的な人気を集めていたスマートオーディンが完勝。この時点では世代唯一となる重賞3勝目を挙げ、ダービーへ名乗りを上げた。毎日杯、京都新聞杯を連勝してダービーに挑むのは、2013年のダービー馬キズナと同じ。また一頭、優れた若駒が頂点に向かって手を掛けた。
一方で、北米に渡ったラニは日本馬として21年ぶりにケンタッキーダービー(G1)に参戦。世界の強豪相手に9着。続くプリークネスSでは5着と順位を上げ、最後のベルモントSでは3着と、日本のダート馬の力が世界に通用することを改めて証明してみせた。
すべての役者が揃い、迎えた日本ダービー(G1)。3.5倍の1番人気に推されたのは、皐月賞馬のディーマジェスティだった。だが、3.8倍でサトノダイヤモンド、4倍ちょうどでマカヒキが続き、3頭のオッズに差はない。4番人気のリオンディーズまでが、単勝10倍を切る混戦となっていた。
5番人気にスマートオーディン、6番人気にヴァンキッシュランとクラシック戦線の新星が続く。エアスピネルは7番人気まで評価を落としていた。8番人気が青葉賞2着のレッドエルディスト、9番人気がNHKマイルC(G1)で2着したロードクエスト、10番人気がスプリングSを制したマウントロブソンと、これだけを見ても今年の日本ダービーがいかにハイレベルであったか十分に伝わってくる。
そして、「史上最強世代」の日本ダービーを制して世代の頂点に立ったのは、川田将雅騎手とマカヒキだった。
ゴール後、川田騎手は馬上から天を仰いで涙。堪え切れないものが溢れた男泣きに、スタンドからはレースに満足したファンから大きな歓声が送られた。競馬史に新たな1ページが加わった瞬間だった。
マカヒキはこの秋、世界最高峰となるフランスの凱旋門賞(G1)に挑むことが決定。だが、例えダービー馬を抜けたとしても、今年の3歳牡馬は本当に多士済々。最後の一冠となる菊花賞(G1)を巡っても、間違いなくレベルの高い戦いが期待できるだろう。
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