オールカマー伝説の名勝負を振り返る。これぞ歴史に残る一戦!大逃げから至高の叩き合いまで。

今週は第64回オールカマー(G2)が行われる。レイデオロ、アルアイン、ゴールドアクター、ダンビュライト、ガンコ、エアアンセムなど豪華メンバーが揃った一戦だが、このオールカマーはその歴史を見ても、数あるJRAの重賞レースの中で特殊なレースと言えるだろう。ここでそんなオールカマーの歴史について振り返ってみたいと思う。
かつてこのレースは、オールカマーの名前から想像できる通り、出走馬はJRA所属馬だけでなく、地方競馬所属馬を招待する「地方競馬招待競走」として行われてきた。その後1995年に地方競馬招待競走は廃止となり、オールカマーに出走する地方馬は激減したが、「地方競馬招待競走」として行われた1986年から1994年には、数多くの地方馬と地方騎手が意地を見せ、ファンの想像を超える走りを見せることも少なくなかった。
例えば地方競馬所属馬として初めて勝利した1986年愛知競馬所属のジュサブロー。そして1991年に大井競馬所属馬として優勝したジョージモナーク(1990年に2着の実績もある)。ジュサブローはJRA所属馬ラウンドボウルを3馬身半突き放し、ジョージモナークはホワイトストーン、モガミチャンピオンといった実績馬に完勝している。当時の地方競馬関係者にとって、オールカマーは下克上をアピールする絶好の場だったのだ。さらにツインターボが勝った1993年は大井競馬所属のハシルショウグンがあのライスシャワーに先着して2着に好走している。他にもトミシノポルンガ、ロジータ、ガルダンなど、オールド競馬ファンなら懐かしむ地方の強豪もこのオールカマーに出走してきた。
近年は招待レースではなくなったこと、そして地方交流重賞が増えたことで地方競馬の出走は激減。さらに外国馬の出走も可能となったが、海外のビッグレースが控えるこの時期に日本に遠征してくる馬は皆無といってよく、寂しいことだが今後もJRA所属馬のみのレースとなろう。
オールカマーにおいて過去の優勝馬を語るときにまず名前が挙がるのが、1993年に衝撃の大逃げで勝者となったツインターボだろう。このレースを見たことがないという競馬ファンは、ぜひレース動画を見ていただきたい。今では見られないような「奇跡の大逃げ」を見ることができる。同馬はデビュー戦から引退するまでのJRA全22戦、すべて逃げている、まさに典型的な逃げ馬。410~420kg程度の小柄な馬だが、その逃げっぷりはまさに日本競馬史に残るもので、このオールカマーでも道中で後続に10馬身以上の大差を付ける逃げを見せ、最後まで脚が鈍らず5馬身差の圧勝だった。
PICK UP
Ranking
11:30更新
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
「面白いこと教えてやるよ」横山典弘、打倒ソールオリエンスに手応えアリアリ!? 馬券に絡んだのはすべて内枠。「父兄参観」と揶揄された2年前とは一変- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA横山典弘「ポツン」について激白!「俺のポツンがあまり好まれていないことはわかってる」知られざる「2つ」のポツンと、それでも続ける理由とは
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 四位洋文騎手が「トラウマ」嘆く……武豊騎手も不快感を露にした昨年「マイルCS」ディサイファの悲劇
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 武豊「スキャンダル」「ケガ」など揺れに揺れた2017年。弟・幸四郎騎手「引退」から小浦愛「不倫疑惑」、そしてキタサンブラック「大団円」までをプレイバック!
















