
JRA新馬「白い皇帝」超良血初陣! すでにステルヴィオ以上!?
昔から「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、ようやく蒸し暑い夏の装いも何処へやら。心地よい風がなびき秋めいてきた。そんな季節を待ち焦がれていたかのように、良血馬たちが続々とデビューを迎え始める。今週末9月30日、中山競馬場・芝1,800m新馬戦に1頭の注目馬がデビューを予定している。ヴァイスカイザー(2歳牡、美浦・木村哲也厩舎)だ。
ドイツの女傑・ナイトマジックの4番仔であるヴァイスカイザーはノーザンファーム生産の2016年5月7日遅生まれ。母馬は生涯成績20戦7勝、うち重賞5勝、G1レースで2着4回、そして伝統のG1レースである2,400mのバーデン大賞、2,200mの独オークスを勝っている。関係者も、よく国外に手放したものだと溜息するほどの逸材だ。
その母方の血統構成にはソウルスターリングの母父や種牡馬ノヴェリストの父として日本でも名前が知れてきたMonsunがおり、母父はSadler’s Wells系のSholokhov。欧州の伝統G1である愛ダービー、エクリプスSで2着など活躍はしているものの、日本では全くといっていいほど知られていない。独国の名門、エルレンホフ牧場の「Nライン」と言われているらしい。日本に輸入された種牡馬ノヴェリストの母もその一族出身だ。
日本でその血脈に所縁のある馬はいないものかと調べてみたところ、かなり懐かしい時代の1頭がいた。今では「JRAの生きるレジェンド」と呼ばれる武豊騎手に牡馬クラシック初勝利をもたらした菊花賞馬のスーパークリーク。その父であるノーアテンションがNラインの血を携えていた。あの中長距離戦での強さの秘訣がこの血脈にあったのか! と今更ながら感銘を覚えた。現役時を知らない競馬ファンでも初期のダビスタ(ダービースタリオン)を遊んだことがある方ならばその名前に聞き覚えがあるだろう。
さて、母ナイトマジックは輸入後、2018年まで全てディープインパクトを交配している。ノーザンファームのその血統に対する期待が窺い知れるところだ。全兄のフォイヤーヴェルクは1億2000万円募集(サンデーレーシング)、全姉アルミレーナは5000万円募集(サンデーレーシング)、同馬は8000万円募集(サンデーレーシング)。そして2017年生まれの全弟は今年のセレクトセールでグレーターロンドンの馬主でもある窪田芳郎氏が1億1,880万円で落札している。
大きな期待がかけられているナイトマジック産駒だが、中でも関係者間で評判が高いのがこのヴァイスカイザーだという。騎乗したスタッフは「こんな背中は味わったことがない。フワンフワンと浮くような走りでいかにも軽い芝が合いそうなタイプ」と大絶賛しているそうだ。
PICK UP
Ranking
11:30更新JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
JRA“6億円馬”ディナシー「セレクトセール最高落札馬は走らない」負の格言代表的存在が繁殖牝馬セールへ
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 成績低下のM.デムーロ、三浦皇成に「不穏」な噂…腕だけなく馬質も重要な騎手業、彼らが不満を隠せなかった「決定的な理由」とは
- JRA グラスワンダー主戦騎手「溺愛」で今年0勝の息子ジョッキーと共倒れ状態……往年のライバル横山典弘から「痛恨不利」も“同情の声”が集まらないワケ
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- キタサンブラック産駒を超高価格で落札「謎の購買者」が2年連続で話題に? 昨年の落札馬は「有名オーナー」の名義に
- 「庭先取引」の問題点を一変させたセレクトセール!億超え馬を落札する名物オーナーたちも登場…オープンでフェアな取引に多大な貢献【競馬クロニクル 第63回】
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?