JRA秋華賞(G1)は「影のディープインパクト産」を狙え? 「非ノーザンファーム」馬の成長力に期待
秋風薫る10月も早2週目。いよいよG1ウィークに突入する。10月14日には3歳牝馬三冠最終戦となる第23回秋華賞(G1)が京都競馬場で行われる。オークス終了後から”史上最強牝馬になる”との呼び声も高い、春の2冠牝馬アーモンドアイの秋華賞は、休み明けぶっつけ本番で臨む。さてどんなレースでファンを魅了してくれるのだろうか?
アパパネ、ジェンティルドンナと2頭の牝馬三冠馬を輩出しているノーザンファーム。偉大な先輩たちに続けと、3頭目の牝馬三冠を狙うアーモンドアイ陣営。もはやここまでくるとアーモンドアイが繁殖にあがり、その子供たちを売買する際、”三冠馬の母”という肩書きはあまりにも絶大なセールスポイントであり、セレクトセールなら産駒は軽く億超えも想定される。そういった先々のビジネスシーンを念頭におけば、ノーザンファームの他の生産馬が、万が一にでも秋華賞においてアーモンドアイに不利を与えたりすることは状況としてはなかなか難しいのではないか、とも想像してしまう。
元々の能力の絶対値が違うアーモンドアイに対し、そのような状況で穴馬を見つけるとすれば、ノーザンファームの生産馬ではなく、メイチの仕上げで勝負してくる非ノーザンファーム系牧場の生産馬だろう。今回注目するのは、アーモンドアイの父親でもあり、産駒が絶好調の”ロードカナロア”を育んだ”ケイアイファーム”生まれのオールフォーラヴだ。
オールフォーラヴは2015年3月14日生まれのケイアイファーム生産馬。父はディープインパクト 。母は秋華賞を5着、ヴィクトリアマイルを3着とG1レースではあと一歩及ばなかったが、G3の中山牝馬Sを連覇したレディアルバローザ。ケイアイファームの中でもトップレベルの実績を持つ繁殖牝馬であり、オールフォーラヴはその母の2番仔。ロードカナロアが所属した一口馬主クラブのロードサラブレットオーナーズにおいて4,860万円で募集された1頭である。
デビューは年明けの1月と遅かったオールフォーラヴだったが、新馬戦を快勝。2戦目のアルメリア賞では必勝体制でD.バルジューを配しての1戦となった。だが、直線先頭にたったところで浜中俊騎手のパンコミードが外に大きく斜行し、オールフォーラヴは馬体をぶつけられ大外に押し出されるまでの大きな不利を受け、勝利目前で敗戦してしまった。
そこで陣営は、”残念桜花賞”と呼ばれる4月の忘れな草賞にオークス出走をかけて望んだ。結果はリュヌルージュ、ゴージャスランチとの接戦をものにして見事勝利。そしてやっとの思いで出走した待望のオークス。だが、良血馬の期待の娘ということもあり、デビューから短期間での激走を強いられたオールフォーラヴは、アルメリア賞でマイナス8kg、忘れな草賞ではさらにマイナス8kgと消耗しきっており、頂上決戦のオークスの舞台ではすでにその体には戦いきる余力も残されていなかった。結果、見せ場もなく9着と惨敗した。
放牧後、春先のガレた馬体をじっくりと回復させたオールフォーラヴ陣営は、今季の最大目標を秋華賞におき、秋初戦は王道トライアルであるローズS(G2)とした。馬体重も前走のオークスからプラス22kg増と回復してはいたものの、かなり余裕のある作りだった。その調整過程が甘かったのか?、レースでは3番人気に推されるも9着に終わった。
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