
JRA開催JBCで「地方キタサン祭」か……スプリント王へキタサンミカヅキの「現状」と可能性
11月4日、京都競馬場でJRA開催のJBCが行われる。昨年は地方馬ララベルがレディスクラシックを制した。今年のJBCで最も優勝に近い地方馬として期待されているのがJBCスプリント(Jpn1、ダート1200メートル)に出走するキタサンミカヅキ(牡8歳、船橋・佐藤賢二厩舎)。その可能性を検討する。
前走の東京盃(Jpn2、ダート1200メートル)を振り返ってみよう。圧倒的1番人気はマテラスカイ(牡4歳)。中京のプロキオンS(G3、ダート1400メートル)では1分20秒3というJRAレコードで逃げ切った馬だ。オープンを2連勝していたキタサンミカヅキはJRA所属のサクセスエナジー(牡4歳)やグレイスフルリープ(牡8歳)を抑えて2番人気。
マテラスカイは若干出の良くないスタートだったが先頭に立つ。2番手につけたのがネロ(牡7歳)。3、4番手がサクセスエナジーとグレイスフルリープ。キタサンミカヅキは5番手につけた。マテラスカイは直線に入ってネロを突き放そうとするが、プロキオンSのような軽快さはない。直線半ばでネロは外から、キタサンミカヅキは内からマテラスカイをつかまえにかかる。結果、キタサンミカヅキはネロにアタマ差をつけて優勝した。
こうしてキタサンミカヅキは上位人気の1頭として今年のJBCスプリントに挑むことになった。JBC史上、地方馬が優勝したのは2007年のフジノウェーブ(スプリント)、昨年のララベル(レディスクラシック)の2頭のみ。キタサンミカヅキが勝てば11年振りの地方馬によるスプリント優勝、3頭目の地方馬によるJBC優勝となる。
キタサンミカヅキはJRAのオープンクラスで好結果を出せず、昨年の夏、船橋に移籍。オープンと東京盃を連勝してJBCスプリントに挑戦したが5着だった。しかし着差は0.1秒。逆転可能な敗北だった。昨年は模索段階だったとも言える。今年は本気で狙ってくるはず。
ただし、今年の舞台は京都競馬場。オープンの壁にはばまれたJRAのダートコースだ。やはり厚い壁が待っているのだろうか。JRA時代と地方移籍後、キタサンミカヅキの走りの何が変わったのかを見てみよう。
道中は好位につけ、直線でしぶとく差してくるのが戦法。これはJRA時代から変わっていない。地方移籍後の最も大きな変化が上がり3F最速を軽々と出せるようになったこと。これまで大井、浦和、川崎で11回走って上がり最速を9回記録している。ところが、上がりタイムが速くなったわけではない。移籍後の上がりタイムは37秒前後で、JRA時代は36秒前後。上がりタイムそのものは遅くなっている。しかもJRA時代の41戦で上がり最速だったのは8回、すべて条件戦でのもの。
PICK UP
Ranking
5:30更新巷に出回る川田将雅「長距離苦手説」をデータで検証、阪神大賞典(G2)で気になる「13年未勝利」の課題…リーディングジョッキーの意外な過去
皐月賞馬、ダービー馬不在の菊花賞を勝ったのは?
【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
- 「庭先取引」の問題点を一変させたセレクトセール!億超え馬を落札する名物オーナーたちも登場…オープンでフェアな取引に多大な貢献【競馬クロニクル 第63回】
- 武豊、屈辱の「30年ぶり」G1未勝利……キタサンブラック”ロス”埋められず、吹き荒れたノーザン外国人旋風に沈黙
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か