麻雀Mリーグ「今夜」決勝開幕! 新型コロナウイルスの中断乗り越え、いよいよファイナルシリーズへ
異例の中断に見舞われたシーズンも、いよいよ雌雄を決す時が来た。
15日、新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言の発令を受け、開催を見合わせていた『Mリーグ2019 朝日新聞ファイナルシリーズ』がいよいよ開幕する。
昨年10月に開幕したシーズンを勝ち抜き、決勝のイスを確保したのはKADOKAWAサクラナイツ、セガサミーフェニックス、渋谷ABEMAS、UNEXTパイレーツの4チーム。チェアマンの藤田晋氏が自身のTwitterを通じて「とうとう来たなこの時が…!!という言葉しか出てこない」と語った通り、麻雀ファンにとっても待望のシーズン再スタートだ。
そこで今回は、ファイナルシリーズの展望を語りたい。日本麻雀界にとって最高峰のタイトルの行方は、チームそれぞれの出来に懸かっている。
◆KADOKAWAサクラナイツ 142.4pt(1位)
内川幸太郎、岡田紗佳、沢崎誠
Mリーグ初参戦というハンデを跳ね返して、見事1位でファイナルシリーズを迎えたサクラナイツ。躍進の最大の要因は大ベテランの沢崎が経験の差を見せつけ、レギュラーシーズンで234.3ptを積み上げるなど、終始チームを支えたことだ。だが、それ以上にセミファイナルで内川、岡田も調子を上げて3人全員プラスで終えられたことが大きい。
積み上げたリードは142.4pt。2位セガサミーフェニックスとも、トップ1回分の余裕があるといえるだろう。ただ、チーム全員が好調だっただけに、新型コロナウイルスの影響による中断が最も痛いのもサクラナイツ。仕切り直しとなる戦いだけに、序盤の数試合の入り方が重要になりそうだ。
◆セガサミーフェニックス 86pt(2位)
魚谷侑未、近藤誠一、茅森早香、和久津晶
昨季-249.1と、屈辱のシーズンを過ごした魚谷の復活が大きい。女性選手ながらドラフト1位に指名されるほどの実力派で、近年の成績も充実一途。数多くのタイトルを手にしながら本人も「Mリーグだけが……」と頭を悩ませていた。しかし、今シーズンは従来の勝負強さを存分に発揮。レギュラーシーズン451.4ptは昨季の多井隆晴を上回るMリーグ記録で、文句なしのMVPだ。昨季6位だったチームも2位までジャンプアップした。
ただし、セミファイナルでは個人+0.5ptと一息。昨シーズンからチームを支え続ける大黒柱・近藤が計算できるだけに、再びエースの爆発が期待される。茅森はつなぎの上手な選手、新加入の和久津は予選-130ptと苦戦したが、初トップが遠かっただけで実力は業界でも屈指の存在だ。
◆渋谷ABEMAS 3位(32pt)
多井隆晴、白鳥翔、松本吉弘、日向藍子
唯一の2年連続ファイナル進出と、確かな実力を見せる渋谷ABEMAS。今シーズンは昨季MVPの大黒柱・多井に加え、次代を担うエース白鳥が覚醒。レギュラーシーズンでチームトップとなる290.2ptを稼ぎ出した。しかし、セミファイナルでは多井が失速……チームの精神的支柱となるだけに、ファイナルでは持ち前の勝負強さを取り戻したい。
カギを握るのは、レギュラーシーズンで大苦戦した松本の挽回だ。セミファイナルでは本来の安定感を取り戻していただけに、決勝での爆発が期待される。日向は今シーズンが初参戦とは思えないデキ。ここまでの安定感は、チームに落ち着きを与えている。出場数に偏りが少ないチームだけに、4人のバランスがカギを握りそうだ。
◆UNEXTパイレーツ -1.7pt(4位)
小林剛、朝倉康心、石橋伸洋、瑞原明奈
-1.7ptという厳しい状況からのスタートとなるが、チームの展望は明るい。何故なら、セミファイナル開始時には-100pt以上のビハインドがあったからだ。そんなチームの苦境を救ったのが石橋。セミファイナル6戦で出場選手トップとなる+215.5ptと大爆発し、ファイナル切符を手に入れた。
ただ、決勝まで石橋の力に頼るわけにはいかないだろう。キーマンには、あえて朝倉と瑞原を指名したい。何故なら、チームをファイナルシリーズに導いたのが石橋なら、セミファイナルに導いたのが船長の小林だからだ。短期決戦で大きなビハインドを跳ね返すためには、4人の“クルー”の力を合わせる必要があるはずだ。
注目の第1戦は
KADOKAWAサクラナイツ×沢崎誠
セガサミーフェニックス×茅森早香
渋谷ABEMAS×多井隆晴
UNEXTパイレーツ×小林剛
という組み合わせ。わずか6日間、合計12試合という短期決戦で、2代目Mリーグ王者となるのは……。