藤田晋氏『麻雀RTDリーグ2018』欠場「理由」を語る。オーガナイザーとしての「手応え」とプレイヤーとしての「葛藤」の狭間で出した結論とは
藤田氏はそこに向かって「叩き3戦目くらいのコンディションで臨まないと(勝てない)」と語っている。また、過去にはRTDリーグの対戦がある度「3日間くらいは回復に時間が掛かる」と究極の頭脳戦に費やす”力”の膨大さに触れており、やはり社長業との両立が生半可なことではなかった事実と、片方のディビジョンだけに出場するのが「現実的ではない」と結論付けている。
なお、自身があえて無理を承知でRTDリーグに参戦したことには、オーガナイザーとしての明確な根拠があったようだ。
「僕が最初に(メンバーに)入っていたのも、AbemaTVが一般層に見てもらっている中で、麻雀プロは麻雀界で有名でも(一般層では)ほとんど知られていなんですよね。そういった中で、ビジネス界で一応それなりに知名度がある僕が入っているということが(番組の知名度を向上させる点で)必要だと思っていた」
そんな狙い通り、RTDリーグは従来の麻雀番組を遥かに凌駕する成長を見せ、参戦するプロ雀士らの知名度も大きく向上。若手のプロ雀士からは「街を歩いていて、声を掛けられるようになった」とメジャー化を実感する声も聞かれている。3期目を迎えたRTDリーグは、麻雀界を代表する最高峰のリーグ戦として完全に軌道に乗ったといえるだろう。
そういった番組そのものの成長が、藤田氏が第一線を退く理由の1つになったことは間違いない。
ただ、『AbemaTV』の人気が根付きつつあるとはいえ、昨年末の当期純損失は約191億円に上る。最後に「仕事も大事な時期なので……仕方ないかな」と、悔しそうな一面を覗かせたのは紛れもない本音だろう。