麻雀Mリーグ「2日目」を占う! ファン待望「タッキーVSヒサト」再び……「麻雀界の藤井聡太」松本吉弘が”新時代”を切り開く!!
【渋谷ABEMAS】サイバーエージェント
出場選手:松本吉弘(日本プロ麻雀協会)
リザーブ:多井隆晴(RMU)、白鳥翔(日本プロ麻雀連盟)
Mリーグの発起人であり、チェアマンを務める藤田晋が率いる渋谷ABEMAS。ドラフトでは40代、30代、20代の各世代から、AbemaTVの『麻雀チャンネル』を支える実力者が選出された印象だった。団体を代表するような超ビッグネームの多井隆晴に、伸び盛りの白鳥翔、松本吉弘が加わることで「長期展望」を見据えたチームとなっている。
そのチームコンセプトは、開幕を迎えても一貫されているようだ。何故なら、各チームが軒並みドラ1で開幕戦を迎える中、ABEMASはあえてドラ3の最年少Mリーガー松本でチームの開幕を迎えることとなったからだ。その背景には今年だけでなく2年、3年後まで見据えた「次期エースの育成」という長期的なビジョンが感じられる。
ただし26歳の松本が、脂の乗り切ったトッププロたちに後れを取るかというと、それは別問題だ。今期は史上最年少でRTDリーグを戦い抜いた松本。序盤こそ大舞台のプレッシャーか、自身が「取りこぼした」と発言する対局もあったが、過半数を超える12名のMリーガーが参戦した長期リーグ戦で堂々の戦いを演じて来季の出場権を確保している。今やその実力はトッププロと互角以上だ。
今秋、プロ野球のセ・リーグで3連覇を達成した広島カープのように「育てながらも、勝つ」ことがABEMASの理想とするところだろう。藤田チェアマンが「麻雀界の藤井聡太」と期待を寄せる松本が持ち前の攻撃力を発揮できれば、理想が現実になるはずだ。
【EX風林火山】テレビ朝日
出場選手:滝沢和典(日本プロ麻雀連盟)
リザーブ:二階堂亜樹(日本プロ麻雀連盟)、勝又健志(日本プロ麻雀連盟)
ドラフトでは1位に女流知名度No.1の二階堂亜樹を指名し、2位に麻雀界屈指のルックスを誇るタッキーこと滝沢和典を指名。テレビ局らしく華やかな、やや人気先行の感もある指名となったが、3位で玄人好みの勝又健志が選ばれたことで一気に引き締まった印象だ。
そんなEX風林火山のチーム開幕戦を戦うのは、長く低迷が囁かれていた滝沢。一昨年と昨年のRTDリーグで大敗を喫し、今期はついにメンバー落ち。Mリーグのドラフト会議では、指名選手の中で唯一会場に姿を現さなかった。本人も「自分は選ばれないだろうから、自宅で娘の子守りをしていた」と指名は青天の霹靂だったようだ。
しかし、そんな滝沢だからこそABEMASの多井は「ここがラストチャンスだと思っているだろうから、モチベーションは相当高い」と警戒する。同じ連盟の後輩にあたる白鳥も「たぶん復調してくると思う」と全盛期の滝沢の実力を知っているからこそ、多くのライバルたちがチームの開幕戦から出てきたことに不気味さを感じているはずだ。
「明らかに調子が上がっている。自分が一番波に乗っていた時期に似ている」
『Abema麻雀TIMES』によって行われた直前のインタビューでは、そう公言してみせた滝沢。果たして、風林火山は開幕から”博打”を打ってきたのか、それとも――。復活を懸ける「麻雀バガボンド」の真価が問われる時が来た。
【KONAMI麻雀格闘倶楽部】
出場選手:佐々木寿人(日本プロ麻雀連盟)
リザーブ:高宮まり(日本プロ麻雀連盟)、前原雄大(日本プロ麻雀連盟)
「攻撃は最大の防御」という格言は麻雀でも通用する。いや、自分さえ上がり切ってしまえば、相手がどんな大物手であろうとも無効になってしまうのが「麻雀」という競技の性質である以上、ある意味、麻雀の「本質」を示す言葉の1つといえるだろう。
そんな格言を証明するかのように結成されたのが、圧倒的な攻撃力が自慢のKONAMI麻雀格闘倶楽部だ。
そんな麻雀格闘倶楽部がチーム開幕戦に示したのは「麻雀攻めダルマ」の異名を誇る佐々木寿人。連盟のエースとして他を圧倒する攻撃力を誇る豪傑だ。RTDリーグではメンバー唯一となる2年連続の決勝進出など、特出した結果を残し「魔王」と呼ばれることも。その雀力は、全国2000名を数える麻雀プロの中でも限りなく頂点に近い存在である。
だが、風林火山・滝沢の”帰還”を誰もよりも喜んでいるのは佐々木かもしれない。
かつて日本最大規模を誇る連盟で「攻め」の佐々木、「守り」の滝沢として人気を二分した2人。『Abema麻雀TIMES』による直前のインタビューでも、かつてのライバルに「弱っているところをさらに弱らせておこうみたいな」と辛口のエールを送っている。
しかし、勝ち負けとなれば話は別だ。「優勝しなくちゃいけない。僕らはとくにその思いは強い」と、わずか7名しかいないドラ1・Mリーガーとしての自覚は十分。「負けた試合は一切見ない」という超実戦派はリーグ開幕に備え、赤ありルールで徹底的に打ち込んできたという。
連盟のエースから、日本麻雀界のエースへ。Mリーグ仕様にカスタマイズされた佐々木が、異色のチームカラーを体現すべく開幕から攻めて、攻めて、攻めまくる――。