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【追悼】悲運のダート最強馬ゴールドアリュール。武豊と目指したドバイワールドカップ。

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 まさにダート最強を示したレースだった。2003年2月23日第20回フェブラリーステークス(G1)、1番人気に支持された武豊騎手鞍上のゴールドアリュールは横山典弘鞍上のビワシンセイキの追撃を振り切り快勝、これでダート重賞6戦5勝、国内ダート戦線に敵無しとなり、夢は3月のドバイへ向けられた。圧巻のレース内容から日本馬によるドバイワールドカップ初制覇は目前と誰もが感じていた。そして誰よりもその夢を描いていたのが、同馬を生産した追分ファームの吉田晴哉、吉田正志親子だろう。

 追分ファーム代表の吉田晴哉氏は、社台ファーム代表の吉田照哉氏、ノーザンファーム代表の吉田勝巳氏を兄に持つ三兄弟の一人。追分ファームの開場は社台ファームとノーザンファームよりも遅く、すでに競馬界を席捲していた兄たちには大きく遅れていた。父晴哉氏はもともとクラブ馬主社台レースホースの代表を務めていたこともあり、牧場経営を考えていなかったようだが、その父で社台グループの創業者である吉田善哉氏が「孫の正志に牧場をやらせろ」と遺言を語っていたことで追分ファームが誕生したという。

 追分ファーム設立後、遅れを挽回するために良質な繁殖牝馬を海外から輸入、その中でアメリカから輸入したニキーヤはダート最強馬ゴールドアリュールをこの世に送り出し、牧場に初G1レース制覇を届けてくれた。

 ゴールドアリュールはニキーヤにとって2番目の子供で、父は日本競馬の歴史を塗り替えたサンデーサイレンス。牡馬ながら3月3日のひな祭りに誕生した同馬はディープインパクトでお馴染みの池江泰郎厩舎に預けられた。デビュー前からクラシックを目指して調整されたが、ソエに悩まされ、さらに気性的な問題も重なって惜敗が続き、芝では勝ちきれないレースが続いた。

 デビューから7戦目、ここまで芝で勝ちきれないレースが続いていたことで切れる脚が欠けると判断した陣営は、初めてダート戦を選択。結果は3歳ダート戦としては優秀な1分51秒6という好時計で2着に4馬身差を付ける圧勝、この一戦で同馬はダートでの素質を開花させる。オープンクラスとなった同馬は続く端午ステークスも4馬身差の快勝。その後はダートで3連勝としてきたものの、3歳馬にとって一生に一度の晴れ舞台である東京優駿(日本ダービー)に出走、大方の予想を覆す5着に好走しその能力を証明したといえるだろう。

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