JRA秋華賞「無敗三冠」デアリングタクト&松山弘平がやった!! 「自分の馬が一番強いと信じて」信頼と感謝が生んだ史上初の大偉業。気になる「次走」は……
18日、京都競馬場で行われた第25回秋華賞(G1)は、1番人気のデアリングタクト(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)が優勝。史上6頭目の牝馬三冠を達成すると共に、史上初の無敗による牝馬三冠を達成した。
「ホッとした気持ちと、ここまでレースを任せてくださった関係者の皆様に感謝の気持ちで一杯です」
2020年、競馬に新たな歴史が刻まれた。
18頭立ての芝2000mで行われたレース。単勝1.4倍という、春のオークス(G1)を超える支持を集めたデアリングタクトのスタートは、決して良いものではなかった。しかし、この馬とデビューからコンビを組み続ける松山弘平騎手は「思っていたようなポジション」と落ち着いていた。
「しっかり流れに乗れて、いい競馬ができたかなと思います」
無理せず、中団やや後方の“定位置”に陣取ると、いつでも前へ行けるよう外々を回った。距離をロスする進路取りだったが、主戦騎手には「強い馬がたくさんいましたが『自分の馬が一番強い』と信じて挑みました」という自信があった。
舞台は直線の短い京都内回りコース。デアリングタクトは、いつになく早めに動いた。1000mを59.4秒で通過した時点から、徐々に前との距離を詰めていく。4コーナーではすでに先頭集団に並び掛ける勢いであり、それは即ち「三冠を自分の力で掴み獲る」という松山騎手の決意の表れでもあった。
最後の直線入り口まで、松山騎手のエスコートは完璧だった。
外を回る安全策と、距離のロスとの狭間で絶妙なバランスを取り「力のある馬なので、最後は(馬場の)良い所を走らせようと思っていました」と振り返った通り、馬場コンディションの良い外へ持ち出すことに成功。
仮にここまでが松山騎手の仕事だとすれば、あとはデアリングタクトが仕事をする番だった。そして、“絶対女王”は主戦騎手が「本当に凄い力を発揮してくれたと思います」と振り返った通りの力強い走りを見せた。
「こういう馬に出会えて、自分は凄く幸せだなと思いますし、感謝したいです」
ゴール直後、勝者を待っていたのは大歓声ではなく、惜しみのない拍手だった。新型コロナウイルスの影響により、この日は800人程度の観客に限定されていたが、これもまた時代を象徴する1ページとして競馬史に深く刻まれることだろう。
「史上初の無敗の牝馬三冠ということで、正直凄いプレッシャーもあったんですけど、達成できて嬉しい気持ちと、馬に『ありがとう』『おめでとう』と言いたいです」
春の桜花賞(G1)、オークス、そして秋華賞。最後の最後まで松山騎手が一貫していたことは、周囲の関係者やデアリングタクトへの「感謝」を忘れないことだ。
「ここまで無敗で来ましたし『できれば、このまま負けたくないな』と思います」
世代の頂点から、競馬界の頂点へ。次の舞台は一線級の古馬が待つジャパンC(G1)、有馬記念(G1)、それとも海の向こうか――。
桜花賞、オークスを基礎とした牝馬クラシックが誕生した1939年から81年、メジロラモーヌが初の牝馬三冠を達成した1986年から34年。「無敗」という新たな可能性を提示したデアリングタクトと松山騎手の“伝説”は、ここからが本番なのかもしれない
PICK UP
Ranking
23:30更新- 【天皇賞・春(G1)】ドゥレッツァも、タスティエーラも不安材料たっぷり? キャプテン渡辺「渾身の本命馬」は【徒然なる神のくず競馬トーク】
- 【NHKマイルC】アスコリピチェーノ主戦を背に追い切りも「鞍上未定」の怪…レース当週C.ルメール復帰予定、何かしらのサプライズも?
- 【天皇賞・春(G1)予想】「盾男」武豊騎手&サリエラから三連複1点勝負!
- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
- 【天皇賞・春(G1)】リピーターはディープボンドではなく「長丁場で大崩れがない」アノ1頭? 単穴は「豊富なスタミナが武器」の堅実派…まさに伏兵といえるベテランも? 超強力“現場ネタ”から紐荒れで狙える伏兵が浮上!?
- 【天皇賞・春】武豊に次ぐ「長丁場の鬼」が超人気薄で虎視眈々…!?「バテない馬だし京都向き」惨敗で評価急落も条件大好転
- 目を掛けた愛弟子の「造反」に師匠がブチ切れ!? 今村聖奈、角田大河の謹慎中に存在感発揮も…安田記念前に師弟関係で遺恨勃発か
- 【天皇賞・春】堅そうだから本命は上位人気で勝負!C.ルメール不在なら「初G1勝利コンビ」に期待したくなるよね【UMAJOモモのオイシイ競馬】
- 【天皇賞・春】武豊、横山典弘を敵に回して豪脚一閃!マヤノトップガン&田原成貴の試行錯誤が三強対決に断【競馬クロニクル 第53回】
- 【NHKマイルC(G1)展望】ジャンタルマンタルVSアスコリピチェーノ「2歳マイルG1馬対決」実現! 重賞ウイナー総勢9頭「超豪華メンバー」が集結
関連記事
JRA秋華賞(G1)デアリングタクトは「危険」!? 先週3連単3点で的中の「マル秘情報」が導き出す「激走馬」に注目! 京都内回りコース巧者はいったい……
JRA秋華賞(G1)「打倒デアリングタクト」の野望!! 栗東・美浦「関係者シークレット情報」から浮上した激アツ“牝馬3冠”阻止候補!!
元JRA安藤勝己氏「行っても勝負できなった」ブエナビスタ凱旋門賞断念に衝撃の裏話とは……「YouTuber」デビューで秋華賞(G1)デアリングタクトの死角も
元JRA安藤勝己氏「一枚上だった」ウオッカでさえ越えられなかった07年秋華賞(G1)ダイワスカーレットの壁……デアリングタクトは「1強」を再現できるか
JRAデアリングタクトの枠は? 史上初・無敗の牝馬3冠誕生のカギを握る【秋華賞(G1)枠順】発表!!