JRA C.ルメール「メジャーエンブレム」を思い出させる「屈腱炎」克服の大器へ――「2年2カ月」ぶり完全復活は努力の賜物

12日、中京競馬場で行われる中日新聞杯(G3)に、グロンディオーズ(牡5歳、美浦・田村康仁厩舎)が出走を予定している。
鞍上は前走に引き続きC.ルメール騎手。現在193勝のリーディングジョッキーだ。オーナーはサンデーレーシングであり、田村厩舎にルメール騎手とくれば、思い出されるのはメジャーエンブレムだろう。
デビューから一貫してルメール騎手が跨り、4歳頭に早くして現役を引退。全競走戦歴は7戦と少ないが、G1を2勝した田村厩舎の代表馬的存在だ。好位追走から早め先頭で押し切る競馬を得意としたメジャーエンブレム。距離こそ違えど、先行して押し切る競馬が得意なのはグロンディオーズにも似た部分がある。
グロンディオーズは、先行したレースで3戦3勝。2番手を追走した信濃川特別で、ルメール騎手が「トビが大きく、スタミナがある馬」と話したように、長所であるスタミナを活かした先行力が魅力だ。
しかし、H.ボウマン騎手で2勝目を挙げた際「のんびりとした性格で、ダッシュもつかなかった」とコメントしていた通り、スピード不足の感は否めない。今回もスタート後のポジショニングがポイントになりそうだ。
ルメール騎手は過去に「スピードがないので広いコースで距離も2000m以上あった方がいいです」と話しており、長い距離の方がいいのは兄ムスカテールと同様。ただ、ルメール騎手の言葉にもあるように、2000mであれば対応は可能だろう。

同厩舎の先輩であるメジャーエンブレムは、NHKマイルC(G1)快勝後、復帰戦に予定していた紫苑S(G3)を回避。体質の弱さが災いし、4歳頭に若くして現役を引退している。
同じく3歳後半の時期をグロンディオーズも休養に充てることを余儀なくされたが、1年8カ月の休養を経て「屈腱炎」を克服。復帰初戦の江の島S(3勝クラス)をプラス28kgで出走した。さすがに長期のブランクがあり15着と敗れたが、叩き2戦目の日本海S(3勝クラス)では20kg絞って2着と一変。前走の六社S(3勝クラス)では「2年2カ月」ぶりの勝利で完全復活を果たした。
復帰後、3戦目で勝ち上がりを決め重賞挑戦まで辿り着いたのは、これまで厩舎が培ってきた「努力の賜物」。田村調教師は「もともと期待していた馬だし、どれだけやれるか楽しみです」と、初の古馬重賞挑戦に期待を膨らませる。
メジャーエンブレムを超える厩舎の代表産駒へ――。
“壮大な”イメージは広がっていく。
PICK UP
Ranking
5:30更新
【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
JRAノーザンファーム時代終焉へ「16億円」大勝負の“答え”が今週末に!? 「33億円の悲劇」から26年……日高関係者の“命運”を背負った良血がついにデビュー!
「庭先取引」の問題点を一変させたセレクトセール!億超え馬を落札する名物オーナーたちも登場…オープンでフェアな取引に多大な貢献【競馬クロニクル 第63回】- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 最強社台グループに「侍」が挑戦状!? 苦戦が続く馬産地・日高再興へ「ハナズ」のM.タバート氏が新1口馬主クラブ設立!
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- JRA 社台ファームが空港建設の立ち退き!? 千葉から始まった伝説……社台グループ「サンデーサイレンス」を超える2つの歴史的僥倖とは
関連記事

JRA阪神JF(G1) C.ルメール「G1連勝ストップ」に追い打ち。アーモンドアイ“後継候補” サトノレイナスに新たな「呪縛」が……

JRA「13年ぶり」大挑戦。カペラS(G3)「地方の大物」参戦も絶望的なデータ……。克服したオメガパフュームとの大きな違いとは

JRAカペラS(G3)「ダートの怪物」ダンシングプリンス過大評価は禁物!? 7連勝の期待かかるも…… 前走パフォーマンスに危険な匂い

JRA岩田康誠「お母さんくらい走れていい」阪神JF(G1)ジェンティルドンナで味わった「屈辱」……抽選「5/7」に託された「千載一遇」のチャンス

JRA福永祐一「27連敗」の絶不調。「コントレイル頼み」クラシック三冠も状況は深刻……更なる飛躍へ求められる「G1勝利」
















