
JRA「恐らく、相当なもんになる」横山典弘の予言的中!? “親バカ”ではなかった父の言葉…… ”武豊超え”託した「秘蔵っ子」がついに関東の頂点に
2020年度の全日程が終了し、騎手リーディングはトップを独走したC.ルメール騎手が4年連続で獲得した。JRAのG1に22鞍騎乗して8勝は、勝率にして驚異の36.4%。3回に1回は勝利しているのだから恐るべき信頼度といえる。その手腕は、全盛期の武豊騎手さえ凌ぐ域まで到達したといっても過言ではないだろう。
ルメール騎手の1強状態はまだまだ続きそうな雰囲気だが、若手騎手の成長にも目を見張るものがあった。76勝を挙げリーディング9位に入った岩田望来騎手、62勝で15位の団野大成騎手、50勝で20位の西村淳也騎手なども今年の飛躍が期待される有望株といえそうだ。
中でもズバ抜けた存在感を放ったのが、関東所属の横山武史騎手だ。2017年にデビューして13勝を挙げ、その後も35勝→54勝と着実に勝ち数を伸ばした。そして20年には94勝を挙げ、一気に関東リーディングトップの座を手に入れるまでに成長した。
長男の横山和生騎手も既に活躍しており、横山武騎手は横山典弘騎手の三男である。そして、天才といわれる父が「プロ向きな性格」と評していたのが武史騎手だった。
横山典騎手は当時、まだデビュー前だった横山武騎手について、『デイリースポーツ』の取材に対し、「あいつはマジで“ヤバい”から覚えとけ。恐らく、相当なもんになる」と、早くから才能を認める発言を残していた。
どうやら酒席での発言だったらしいが「オレが思うに約10年なんだ。トップになれるような才能を持つジョッキーってのは、だいたい10年ごとに現れているんだよ。周期的にウチのやつも”それ”に当てはまる」と“10年に一人の逸材”だと評している。
武豊騎手や蛯名正義騎手が競馬学校の3期生で、福永祐一騎手や和田竜二騎手が12期生、新人最多勝記録を作った三浦皇成騎手が24期生だった。これは横山典騎手が話す「約10年周期説」とも無関係ではなさそうだ。
「武史」という名前の由来が「武豊騎手の歴史を超えられるように」と願いを込めてつけられたらしいことからも期待の高さがうかがえる。そんな父の期待に応えるが如く、頭角を現した武史騎手もまた見事としか言いようがない。
父はデビュー3年目の1988年にソダカザンでウインターS(G3)を制し、重賞初勝利を挙げ、横山武騎手は1年遅れて4年目の2020年にウインマリリンでフローラS(G2)を制し、重賞初勝利。勿論、次なる目標は父が5年目の1990年にキョウエイタップとのコンビでエリザベス女王杯(G1)を制して手に入れたG1タイトルとなる。
騎乗停止の父に替わり、G1初騎乗となった2019年の日本ダービー(G1)。リオンリオンで大逃げして15着に敗れ、苦い経験も味わった。その一方で、20年のG1騎乗数は7鞍と大きく増えたように、より信頼される騎手へと成長を見せている。
父が初G1勝ちを決めた5年目にあたる今年。横山武騎手は、偉大な父に並ぶことができるだろうか。
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