JRA金鯱賞(G2)グローリーヴェイズ「凡走パターン」で大ピンチ!? 打倒デアリングタクトに克服すべき「壁」とは
14日、中京競馬場では金鯱賞(G2)が行われる。3冠牝馬デアリングタクトの始動戦として注目されるが、ジャパンC(G1)で同馬と0秒1差に好走したグローリーヴェイズ(牡6歳、美浦・尾関知人厩舎)にも逆転の可能性は十分ある。
4歳時に制した香港ヴァーズ(G1)を含め重賞3勝という実績馬。しかし、中京の左回りコース克服がカギだとある記者はいう。
「グローリーヴェイズは、中京での2着を含め、左回りは通算3戦して【1-1-0-1】。連対率は66.6%と優秀です。香港のシャティンを含めた右回りが【4-2-0-4】なので、左右どちらも苦にしないタイプといえるでしょう。ただし、今回は凡走パターンに当てはまる可能性があります」(競馬記者)
その理由がグローリーヴェイズの調教過程にあるという。
「2019年夏に美浦トレセンが改修され、南ウッドチップコースはBからDコースに移設されました。その結果、幅員は広くなり、現場の声を反映する形でコーナーも緩やかに作り直されました。
さらにそれまで右回り専用だったコースが、曜日指定で左右両回りの調教が可能となったのです。基本的に東京競馬場での開催期間中は左回り、中山開催中は右回りで追い切られ、現場からは好評を得ています」(同)
美浦所属馬にとって、直前の追い切りを実際の競馬場と同じ回りでできることは大きなメリットといえる。ところがグローリーヴェイズは、関東馬にもかかわらず中山・東京では1戦ずつしかしていない。キャリア13戦のうち実に9戦が関西圏(京都・阪神・中京)への遠征競馬という変わり種だ。
2月下旬から関東圏の開催は、東京から中山に切り替わったため、グローリーヴェイズは3日の1週前追い切りを右回りでこなした。そして今週の最終追い切りも右回りで追い切られるだろう。中京でのレースを控えるグローリーヴェイズにとってこのパターンは決して理想とは言えない。
初めてG1に出走した3歳秋の菊花賞(G1)以降、香港Vを除き1週前と最終追い切りはすべて美浦南Wで追い切られているグローリーヴェイズ。各レースの1週前と最終追い切りの“回り”は以下の通りだ。
【グローリーヴェイズ、美浦南Wにおける1週前&最終追い切りの回り(菊花賞~)】
菊花賞 (右右)→右・5着
日経新春杯 (右右)→右・1着
天皇賞・春 (右右)→右・2着
京都大賞典 (右左)→右・6着
香港ヴァーズ (右-)→右・1着
宝塚記念 (左左)→右・17着
京都大賞典 (右左)→右・1着
ジャパンC (左左)→左・5着
金鯱賞 (右右)→左・?着
※カッコ内の左が1週前、右が最終追い切りの回り
オープン昇級後は比較的安定した成績を誇るグローリーヴェイズだが、唯一大きく崩れたのが3走前の宝塚記念。この時は、東京開催中だったため、左回りで2週続けて追い切られ、右回りの本番で惨敗を喫した。左右は逆だが、今回はこのパターンと同じだ。
逆に2週連続で本番と同じ回りで追い切られたときは好走が多い。ともに敗れてはいるが、前走のジャパンCと2年前の天皇賞・春は、G1の大舞台でその実力をしっかり見せている。
6歳初戦に向けて、調教パターンは決してベストではない。晩成の血が開花するかどうか、試金石の一戦となりそうだ。
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