GJ > 競馬ニュース > 「新潟千直事情」変化から探る今年の勝ち馬候補
NEW

JRAアイビスSD(G3)カノヤザクラ、カルストンライトオ、ベルカント。歴代千直マイスターと「新潟千直事情」の変化から探る、今年の勝ち馬候補

JRAアイビスSD(G3)カノヤザクラ、カルストンライトオ、ベルカント。歴代千直マイスターと「新潟千直事情」の変化から探る、今年の勝ち馬候補の画像1

 東京オリンピックが開幕する今週は、JRAでも札幌記念(G2)と並ぶ夏競馬を代表する注目重賞レースのアイビスサマーダッシュ(G3)が行われる。

 芝・直線1000mという特殊な条件は、日本競馬においてこのコースしかないゆえに希少なレースとして大きな注目を集めている。加えて、今週行われる重賞レースがこのアイビスSDのみということからも、JRAの力の入れ方がわかると言うものだ。

 アイビスSDが初めて行われたのは2001年。新潟競馬場は改修工事により右回りから左回りへ、外回りコースの直線の長さはJRAで最長の659mとなり、日本競馬で初めて直線1000mの芝コースも誕生した。その新・新潟競馬場誕生に合わせて新設された重賞レースが、このアイビスSDである。

 筆者は以前アイビスSDの取材で、直線1000mのスタート地点に立ったことがある。そこから見た一直線に続く緑のじゅうたんの美しさに感動したのを覚えている。

 しかし、当時の騎手たちは口を揃えて「やってみなければわからない」と手探りだった。実際に馬に関しても最初から新潟1000mのスペシャリストがいたわけではなかった。第1回の優勝馬メジロダーリングは、短距離のスペシャリストではあったものの、デビュー以来初の1000m戦で勝利している。

 史上初の千直1000mマイスターと呼べるのは、カルストンライトオでいいだろう。

 同馬は3歳時の2001年に第1回アイビスSDに出走して3着。翌2002年には見事勝利し、2003年は不出走、そして2004年には2年越しの“連覇”を達成。4度目の出走となる2005年は1番人気で4着に敗れたが、紛れもなく千直マスターに相応しい実績だ。

 そして同馬が2002年に記録した53秒7の勝ち時計は、今も破られていないレコードタイムなのである。しかも同馬はアイビスSD以外にもスプリンターズS(G1)を勝利しているのだから大したもの。アイビスSDの勝ち馬でスプリンターズSや高松宮記念といった1200mのG1レースを勝利したのは、後にも先にもこのカルストンライトオだけだ。

 このアイビスSDで連覇を達成しているのは他に2頭いる。

 まずは2008~2009年のカノヤザクラだ。ただし同馬が勝利したのは、ともに新潟芝1000mで特に有利とされる8枠18番と17番で、枠の恩恵があったことも否めない。3連覇を目指した2010年は10着に敗退したが、これは57kgの酷量が影響したのも大きい。それまでの実績を考慮すれば、牝馬ながら牡馬相手に同一重賞の連覇はお見事。同馬も千直マイスターの一頭と呼んでいいだろう。

 連覇を達成したもう一頭はベルカントだ。父サクラバクシンオーはカノヤザクラと同じで、父譲りのスピードで5つの短距離重賞を制している。その中の2つがアイビスSDだが、初めて勝利した2015年はそれまですべて5着以下の7連敗中だったが、M.デムーロ騎手に乗り替わって一変した走りを見せ快勝。新潟芝1000mは2戦2勝とすべて勝利している。

 またアイビスSDは1勝しかしていないが、千直マイスターといえばケイティラブも見逃せない。同馬は全5勝中4勝がこの舞台で、ダートの1勝も加えれば全5勝が1000m戦。アイビスSDは初重賞チャレンジで見事勝利しているのだから、よほどこのコースと相性が良かったのだろう。

 アイビスSDが創設されてから数年は、新潟芝1000mでオープンクラスのレースが少なかったが、2014年に韋駄天ステークス、2016年にルミエールオータムダッシュのオープン特別ができたことで、このコースを専門的に狙う馬が増えた。

 特にここ3年のアイビスSD優勝馬(2020年ジョーカナチャン・2019年ライオンボス・2018年ダイメイプリンセス)は、上記2つのオープン特別で2着以内に好走していたという実績がある。

JRAアイビスSD(G3)カノヤザクラ、カルストンライトオ、ベルカント。歴代千直マイスターと「新潟千直事情」の変化から探る、今年の勝ち馬候補のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

23:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 【天皇賞・春(G1)】ドゥレッツァも、タスティエーラも不安材料たっぷり? キャプテン渡辺「渾身の本命馬」は【徒然なる神のくず競馬トーク】
  2. 【NHKマイルC】アスコリピチェーノ主戦を背に追い切りも「鞍上未定」の怪…レース当週C.ルメール復帰予定、何かしらのサプライズも?
  3. 【天皇賞・春(G1)予想】「盾男」武豊騎手&サリエラから三連複1点勝負!
  4. 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
  5. 【天皇賞・春(G1)】リピーターはディープボンドではなく「長丁場で大崩れがない」アノ1頭? 単穴は「豊富なスタミナが武器」の堅実派…まさに伏兵といえるベテランも? 超強力“現場ネタ”から紐荒れで狙える伏兵が浮上!?
  6. 【天皇賞・春】武豊に次ぐ「長丁場の鬼」が超人気薄で虎視眈々…!?「バテない馬だし京都向き」惨敗で評価急落も条件大好転
  7. 目を掛けた愛弟子の「造反」に師匠がブチ切れ!? 今村聖奈、角田大河の謹慎中に存在感発揮も…安田記念前に師弟関係で遺恨勃発か
  8. 【天皇賞・春】堅そうだから本命は上位人気で勝負!C.ルメール不在なら「初G1勝利コンビ」に期待したくなるよね【UMAJOモモのオイシイ競馬】
  9. 【天皇賞・春】武豊、横山典弘を敵に回して豪脚一閃!マヤノトップガン&田原成貴の試行錯誤が三強対決に断【競馬クロニクル 第53回】
  10. 【NHKマイルC(G1)展望】ジャンタルマンタルVSアスコリピチェーノ「2歳マイルG1馬対決」実現! 重賞ウイナー総勢9頭「超豪華メンバー」が集結