
JRAダービー制覇の悲願なるか!? 国枝栄調教師の期待集め、コマンドラインがホープフルS(G1)参戦

来年のクラシック有力候補とされているコマンドライン(牡2歳、美浦・国枝栄厩舎)が、次走にホープフルS(G1)を予定していることがわかった。
デビュー前から「来年のダービー馬候補」との声が多かった同馬。父はディープインパクト、母のコンドコマンドはアメリカG1馬、全兄のアルジャンナは東京スポーツ杯2歳S(G3)を2着という良血。
馬体重は500キロを超える迫力のある大型馬で、C.ルメール騎手が「ダービーも予約をしておきます。」というコメントを残しているように、4年連続リーディングトップを獲得しているジョッキーに騎乗を熱望されるほどの注目馬だ。
管理する国枝栄調教師も「来年のダービーまで眠れないよ。」と、大きな期待をかけており、ここまでの2戦、その言葉を裏切らない勝利を収めている。
6月5日、東京競馬場で行われた新馬戦では、単勝1.1倍の断然人気に。道中、中団でじっくりと脚をため、直線で外に持ち出すと、しっかりと伸び、2着に3馬身差をつける勝利。場内からはファンの拍手が送られ、新馬戦で拍手が起きるという珍しい光景に注目度の高さがうかがえた。
次走、10月9日、こちらも同じ東京競馬場で行われたサウジアラビアロイヤルC(G3)では、1番に人気推され、まずまずのスタートから鞍上のルメール騎手がスローペースと見るや向正面で2番手まで上がり、直線では抜群の瞬発力を見せて勝利。ダノンプレミアム、グランアレグリア、サリオスと近年の優勝馬から、G1馬を出す出世レースとして知られるこのレースをしっかりと勝ち切った。
騎乗したルメール騎手は「これでクラシックを考えられますし、来年大人になったら、トップレベルに行ける馬だと思います。2戦2勝できて来年がとても楽しみな馬です」と賛辞を贈った。
管理する国枝師は「調教師としての夢はダービー」と言う。通算勝利数900勝を超え、現役2位。JRA、G1で20勝を挙げる名伯楽も手応えを感じている。
調教助手を経て、調教師に。開業30年を超え、アパパネ、アーモンドアイという3冠牝馬を2頭育てるなど、数々のタイトルを獲得してきた国枝師だが、牡馬クラシックの勝利はまだない。
師は現在66歳。調教師の定年である70歳まで夢であるダービー制覇、牡馬クラシックに挑戦できるのもあと少し。今までダービーには8度挑戦して、2018年のコズミックフォースの3着が最高だ。
今年はウオッカ以来、14年ぶりに牝馬でのダービー制覇を目指し、サトノレイナスで出走するなど、ダービーへの思いは人一倍強い。また父の夢を叶えるため、調教助手として父を支える長男、三男の姿もテレビで取り上げられていた。
はじめて好きになった馬、自分を競馬の世界に興味を持たせてくれたのは「ヒカルイマイ」だという。
ヒカルイマイは皐月賞、ダービーを制したが、怪我で菊花賞は断念。悲願の3冠馬になることはできなかった。そのヒカルイマイに魅了され、競馬の世界に興味を持った国枝師が期待する管理馬コマンドライン。同馬で、初の牡馬クラシックを制覇、そしてヒカルイマイの悲願だったクラシック3冠を牝馬だけでなく、牡馬でも達成する姿に期待したい。
(文=長尾りょう)
<著者プロフィール>
はじめての競馬、ジャパンCで5番人気シュヴァルグランの単勝を当て、競馬にハマる。オルフェーヴルのように強いが、気性が荒く、成績にムラのある馬が大好き。今までで1番忘れられない馬券は、2018年の有馬記念ブラストワンピースの単勝。
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