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JRA中山記念(G2)16着最下位の消せない心の傷。「ソダシの重圧が…」G1馬同士の激突に意気消沈し、5戦連続二けた惨敗の大スランプ

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JRA中山記念(G2)16着最下位の消せないトラウマ。「ソダシの重圧が…」G1馬同士の激突に意気消沈し、5戦連続二けた惨敗の大スランプの画像1
トーラスジェミニ

 27日、中山競馬場で行われた中山記念(G2)は、2番人気のパンサラッサ(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)が豪快な逃げ切り勝ち。道中後続を大きく引き離す、いわゆる大逃げの勝利にSNSでは「令和のツインターボ」と、たちまちトレンド1位になる人気ぶりだった。

 その一方で、パンサラッサと同じ逃げ馬ながら、2番手から最下位に沈んだのがトーラスジェミニ(牡6歳、美浦・小桧山悟厩舎)だ。

 かつてはG1候補とまで言われた強豪に一体、何が起こっているのだろうか。

 昨年6月の安田記念(G1)で5着に粘ったトーラスジェミニ。前を走っていたのはダノンキングリー、グランアレグリア、シュネルマイスター、インディチャンプという、まさに王者の面々。次走の七夕賞(G3)で重賞初制覇を飾ったのは、むしろ順当といえるほどの期待馬だった。

 しかし、次走の札幌記念(G2)で10着に沈むと、そこからウソのような大敗続き……。そしてこの日16着と、ついにキャリア初の最下位の屈辱を味わうこととなった。

「うーん、どうしてしまったんでしょうか。この日の1000m通過57.6秒は、まさに“パンサラッサ・ワールド”といえるハイペース。ついて行ったトーラスジェミニが潰れるのは仕方ないと思いますが、同じようについて行ったワールドリバイバルは11着でしたからね。さすがに16着の最下位は負けすぎです。

昨年の安田記念も2番手からだったように、元々ハナにはこだわらない馬。開幕週の絶好の馬場コンディションでしたし、直前の調教もむしろいい感じでした。本来なら、ここまで負ける馬ではないんですが……」(競馬記者)

 昨年の札幌記念で10着に大敗して以来、これで5戦連続二けた着順と負の連鎖が止まらないトーラスジェミニ。

 その間、陣営も控える競馬を試したり、ブリンカーを装着させてみたりと、あの手この手を尽くしてはいるもののG1・5着から重賞を勝った馬を突如襲った大スランプに、まったく光が見えない状況だ。

「実は前走の東京新聞杯(G3)は、陣営にとっての勝負レースでした。休養明けの叩き2走目で、安田記念と同じ東京のマイル戦という舞台設定。さらにブリンカーを導入し、鞍上には昨年大ブレイクした横山武史騎手を迎えました。

陣営も『このところパッとしないので、この辺りで良い所を見せてもらいたい』と期待していたのですが、結果はハナに立ったものの早々に脱落して14着。レース後、横山武騎手が『平均ペースぐらいで逃げられましたが、負けすぎです。気持ち的にやめてしまっています』と話した通り、馬の精神面に問題があるのかもしれません」(競馬記者)

 肉体面ではなく精神面に問題があるとすれば、“きっかけ”があるはず。思い当たるのは、やはりスランプの入り口となった昨年の札幌記念だろう。

 前走で七夕賞を勝利したトーラスジェミニは、勝てばサマー2000シリーズの王者が確定する大事な一戦を迎えていた。新コンビとなる横山和生騎手も「すごくいいイメージを持って臨める」と状態に太鼓判。G2で相手は揃ったが、持ち前の粘りを発揮できる下地は揃っていた。

 レースでは特に行きたい馬もおらず、すんなりハナを切って主導権を奪うことに成功。前半の1000m通過59.9秒なら、この馬のペースだったはずだ。

 順調なレース運びに異変が起こったのは、残り800mを迎えた3コーナーだった。後方にいたブラストワンピースが一気に進出を開始すると、それにソダシが反応。隊列を牽引していたトーラスジェミニは、G1馬同士の鍔迫り合いにあっさりと飲み込まれた。

 これで気持ちが切れてしまったのか、トーラスジェミニはズルズルと後退。横山和騎手が最後の直線を待たずしてムチを入れるも、ほぼ無反応だった。

「(札幌記念の)レース後、横山和騎手が『(後ろから)ソダシが並んで来た時のプレッシャーが凄かった』と話していましたが、まさにプレッシャーに飲み込まれたような下がり方でした。

もし、今のスランプが精神的なものなら、あそこで気持ちが切れてしまったのかもしれません。トーラスジェミニに限らず、馬はとても繊細な生き物ですし、一度イヤな経験をしてしまうと立て直すのは難しい。実際に、そのソダシも秋華賞(G1)でおかしくなってから立て直すのに時間が掛かりましたからね」(同)

「これがいい経験になったと思うし、メンバーが弱くなれば、またチャンスは来るはずです」

 札幌記念のショッキングな敗戦の後、横山和騎手は相棒を庇うコメントを出したが、その“トラウマ”は思った以上に深刻なようだ。果たして、実力派の逃げ馬トーラスジェミニは復活できるのか。

 本来なら、この日のパンサラッサに楽をさせない相手だったはずだ。

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

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