JRA「単勝156.2倍」最低人気が福永祐一、川田将雅ら評判馬を完封! 成長著しい「若武者」に導かれたエフフォーリアと同配合馬がマイペース圧逃V
人気薄の逃げ馬の怖さを、またしても見せつけられた。
7日、中京競馬場の6Rに行われた3歳1勝クラスは、9頭立てシンガリ人気のタガノフィナーレ(牝3歳、栗東・中村直也厩舎)がまんまと逃げ切って1着に入り、単勝156.2倍の大穴を開けた。
少頭数ながら評判馬の揃った一戦。1番人気は前走アーリントンC(G3)で僅差の4着だったジュンブロッサムが、テン乗りの福永祐一騎手と共に単勝オッズ1.7倍の圧倒的支持。
同レース5着で岩田望来騎手のディオ、川田将雅騎手が乗るグレナディアガーズの妹アストロフィライトがそれぞれ2、3番人気と続く。一方のタガノフィナーレは凡走が続いていたこともあり、メンバー中唯一の単勝万馬券に甘んじていた。
芝1600mのレース。7番枠からスタートを切ったタガノフィナーレと鮫島克駿騎手は、手綱を押してすかさずハナへ。人気のジュンブロッサムは後方2番手からの競馬、ディオとアストロフィライトも中団で牽制し合う形でレースは進む。
1000m通過は60秒3のスローな流れ。既に2番手に4馬身の差をつけて単騎のマイペースに持ち込んでいたタガノフィナーレだが、4コーナーから直線入り口にかけて後続とのリードをさらに拡大する。
直線に入ってからも脚色は衰えることなく、人気馬3頭も外に出して猛追を見せるが、なかなか差は詰まらない。そのまま上がりを33秒7でまとめたタガノフィナーレが、2着のディオに1馬身1/4差をつけて完勝した。
「2番手のエリカフェリーチェが手綱を抑えてくれたことで、上手く単騎の逃げに持ち込むことができました。また、開幕週でインが有利な馬場状態もプラスに働いたと思います。
近走では敗戦が続いていたタガノフィナーレですが、これまで逃げた2戦では1勝3着1回と馬券圏内を外していませんでした。人気各馬のジョッキーたちは、さすがに楽に行かせすぎたかもしれませんね」(競馬誌ライター)
そんなタガノフィナーレは、父エピファネイア、母父ハーツクライという血統。これは昨年G1・3勝を挙げた年度代表馬のエフフォーリアと同じ組み合わせでもある。人気薄だったとはいえ、やはり好走できる下地はあったのかもしれない。
殊勲の鮫島駿騎手はレース後、「楽に行かせてもらいました。早めにセーフティリードを取るイメージで乗りましたが、狙い通りの競馬ができました」と、してやったりのコメント。
同騎手といえば、先月の阪神牝馬S(G2)でも単勝68.7倍のメイショウミモザで大金星を挙げたことは記憶に新しい。昨秋もサンレイポケットとのコンビで古馬の王道路線を賑わすなど、ここのところ成長著しい若武者だ。
そのメイショウミモザは、次週15日のヴィクトリアマイル(G1)に出走を予定している。好メンバーが揃いそうなだけに人気薄も予想されるが、果たして来週もアッと言わせるような騎乗を見せてくれるだろうか。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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