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「オヤジだョ!全員集合」函館記念で珍事発生!?

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 11日及び12日の2日間にわたり、北海道苫小牧市にあるノーザンホースパークにて開催された「セレクトセール2022」。今年も「億超え」連発の大盛況だったようで、落札された若き期待馬たちの今後が楽しみだ。

 そんな将来を嘱望された若駒たちを横目に、今週末の17日には同じ北海道の函館競馬場で函館記念(G3)が行われる。こちらは若駒たちとは打って変わって真逆といえる、まさにオヤジ(高齢馬)達の頂上決戦といえようか。

函館記念で珍事発生!?

 何故ならば現在登録のある18頭のうち、7歳を超える高齢馬が7頭もいるのだ。競馬界はセレクトセールの話題で持ちきりだが、若い世代に負けじと存在感を示したいところだろう。

 過去の傾向をみても、近10年を振り返ると7歳以上の馬が7頭も馬券に絡んでいるように、とにかく高齢馬が良く走るこのレース。2011年には8歳→10歳→8歳で決着した信じ難い例もあった。

 そんななか登録メンバーを見渡すと、「旬」な3歳馬や4歳馬の姿がどこにも見られない。3歳世代が活躍する6月以降の古馬混合重賞としては“高齢化”が目立っている。

 ところが、函館記念においては2012年にも同じようなケースがあったことも思い出したい。それも過去30年を遡ってもたった一度だけしかない珍事だったのである。

 当時はフルゲート16頭の内、7歳以上が半分以上を占める9頭も集結。すでに今回を超えるようなオヤジ頂上決戦が実現されていた。

 オッズでは2走前の目黒記念(G2)で2着、前走で巴賞(OP)を制したトウカイパラダイスが1番人気。3歳時にきさらぎ賞(G3)を勝っているネオヴァンドームが2番人気と、高齢馬の中でも重賞で好走歴のある5歳馬たちが人気を集めた。

 そんななかひとたびゲートが開くと、最軽量ハンデ48キロの7歳馬セイカアレグロがハイペースでレースを引っ張る。最後の直線で6歳馬ミッキーパンプキンが先に抜け出したところに、後方から追い込んできた7歳馬トランスワープと8歳馬イケトップガンが豪快に差し切りワンツーフィニッシュ。4番人気→8番人気→7人気で決まり3連単は15万超えの高配当となり、高齢馬達が遺憾なく存在感を発揮したのである。

 今回のメンバーも7歳馬にはアイスバブル、ギベオン、サンレイポケット、ジェネラーレウーノの4頭、8歳馬はウインイクシード、サトノクロニクル、プレシャスブルーら3頭が出走登録しているだけに、波乱のカギを握る馬がいてもおかしくはない。

 先週行われた福島の七夕賞(G3)では、51歳の大ベテランとなった田中勝春騎手が3年ぶりの重賞制覇を演じた。ただでさえ、高齢馬が毎年のように奮闘する函館記念なら、今度は古豪たちの出番があっても驚けないだろう。

 年間を通してみても、ここまで高齢馬が集う重賞はなかなかないだろう。セレクトセールで期待の若駒たちがスポットを浴びているが、オヤジ達にも奮起してもらいたい。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
 ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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